Reimagine(リイマジン):「ニューノーマルの時代」に向けて、新しいビジネスの姿を再構想する時 新型コロナウイルスが及ぼす影響とは

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著者 デビッド・ジェントル
この記事はFujitsu Blogに掲載された「Time to reimagine – the implications of COVID-19」の抄訳です。

目次


現在、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックがもたらす影響に対処することが、企業が直面している最大の課題となっています。

長いキャリアをお持ちのお客様も、その深刻さに対して何一つ充分な準備ができていない、と話しています。富士通社員からも同じような意見を聞いています。今回、これまで組織で常習化していて、予想範囲内にあった物事が根底から覆されたのです。

「新しい会社に突然テレポーテーションさせられ、ビジネスや業界について何の知識もないまま事業運営するようにと求められているようだ。自分が知っていることはその場で全て忘れ、ゼロから始めなければならないかのようだ」と、この状況を例えたお客様もいます。

ただ、大混乱の中にあっても、変化する世界を理解するのに役立つ、主要なテーマがいくつか見え始めています。それらは、試練に満ちたこの時代の課題を考える際に、何らかの方向性を与えてくれるものです。

私達はどのような未来を創造したいのでしょうか。どのようにしてビジネスのありかたを再構想(リイマジン)するのでしょうか。そこでは、次の3つの動向が特に重要であると考えます。

  • デジタル化の加速
  • ビジネス視点を効率性から変化対応力に移行
  • ヒューマンセントリック(人を中心)とウェルビーイング(健康や幸福)の重要性を再認識

デジタル化の加速

まず、デジタル化の加速から始めましょう。パンデミックが発生して以来、私達は人との接触を避けて生活したり働いたりするという実験を、世界的な規模で行っているように感じています。

その結果、多くの企業が可能な限り在宅勤務に切り替えています。また、オフィススペース長期使用の規模を縮小しようと計画しています。在宅勤務への移行は今後もずっと続くのでしょうか?私達は、そうなると考えています。

それは、従来の働き方に劇的な変化が起こりつつある、という当社の発表にも反映されています。

事実、多くの人にとってデジタルが生活や仕事をする上で当たり前の形態になりました。従業員を特定の場所に配置するという制約を取り除くことで、多くの企業は自らを改革しています。そして、従業員を管理したり、やる気を起こさせたりする新たな方法や、お客様サービスを提供する新しい方法を見い出そうとしています。それにより、企業はビジネスのあらゆる側面を再構想(リイマジン)する必要に迫られているのです。

人々の行動が店舗を訪れたり、通勤、通学したりするといった既定の行為によって定義されなくなり、かわりに私達は新しいデジタルエクスペリエンスを生み出すようになりました。その結果、急速なデジタル化が新たな可能性を生み出し、在宅勤務から、医療、食料供給、輸送等、あらゆる面に変化をもたらすようになりました。

もちろん、このデジタル化の加速の流れにはリスクも伴います。例えば、個人情報の保護を考える時、物理的な世界でみられるような脆弱さがデジタルの世界で発生しないようにするには、どうすればよいのでしょう。新型コロナウイルス大流行と同等規模のデジタルパンデミックの発生を、どうすれば回避できるのでしょう。

ビジネス視点を効率性から変化対応力に移行

2つ目の変化は、ビジネスの視点が効率性から変化に対する対応力に転換したことです。パンデミックは、効率性を改善したからといって、予期せぬ混乱から守られる訳ではないことを浮き彫りにしました。その結果、多くの企業は予期せぬ事態発生に対する柔軟な対応力を確保することに焦点を当てるようになりました。

1ヵ所で集約して製品や部品を製造する集中型のグローバルサプライチェーンが深刻なダメージを受けている中、多くの企業は、より顧客に近接し、需要ベースの分散型サプライモデルを構想しています。生産と物流のプロセスをデジタル技術で繋ぐことで、エンドツーエンドの新しいデジタルエコシステムが出現するでしょう。

リスクを軽減し、ビジネスの変化対応力をより強化するために、AIと自動化の適用を加速することへの期待が高まっています。これが現在、人間が果たしている多くの役割に影響を与えることは明白です。その結果、データ駆動型インテリジェンスへの動きに対応し、人々のイノベーションと創造性を最も効果的に組み合わせる方法を考える必要が出てくるでしょう。

このような状況下で、多くの企業はサプライチェーンや業務プロセス、そして、それがどのように繋がるのか、あるいはどのような結果を成功と定義づけるのかという点まで、再構想する必要が出てくるでしょう。

ヒューマンセントリック(人を中心)とウェルビーイング(健康や幸福)の重要性を再認識

第三に、ヒューマンセントリック(人を中心)とウェルビーイング(健康や幸福)について考えてみましょう。全ての企業には、従業員、顧客、パートナー、コミュニティ等に対する「義務」があります。しかし、企業の多くが急いで在宅勤務を実現させた一方で、従業員が正しいワーク・ライフバランスを維持するための支援について注意を払った企業はどのくらいあるでしょうか。

業務がオンラインに移行したため職場に出向くことがなくなると、集団意識が減り、それぞれが社内、社外のネットワークを持った一技能者として仕事を遂行するようになります。仕事における従業員の自律性が高まるにつれ、企業はどのように各人を管理し、仕事の意欲を高めていくかを再構想する必要があります。

複数のステークホルダー間で信頼を育むには、企業のパーパス(目的意識)がますます不可欠になります。これは、富士通が実施したグローバル調査でも明らかになっていますが、今日のビジネスリーダーはマルチステークホルダーに対して明確なパーパスを示すことが重要だと考えています。

様々なステークホルダーから信頼を得るためには、パーパスが重要な役割を果たすことが徐々に分かってきました。私は新型コロナウイルス後の世界では、信頼されるビジネスのみが持続可能な長期成長を達成するだろうと考えます。

パンデミックは、ビジネスや社会的環境を変え続けるでしょう。リカバリへの道のりは長く、リモートワークやオンラインビジネスを可能にするデジタル技術の戦術的展開以上のものが必要とされます。

さらに、従業員や業務プロセスの編成方法から、組織自ら設定した成功要因ならびにそれらと複数ステークホルダーとの関連性に至るまで、企業全体の在り方を再構想することが求められます。

これを実現するために、組織は新たな世界を念頭に置いたビジネス変革に焦点を定める必要があります。先行きが不透明な時代を進んでいくには、明確なビジョンや、パーパスにもとづいた戦略が必要になります。現在の状況は不確実です。しかし、私達は信頼の未来を築くことはできると考えています。

富士通のパーパスは、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことです。特に、現在の危機的状況下では、信頼できる未来を築くために、全ての組織が協力し合う必要があると信じています。

デビッド・ジェントル 富士通(株)シニアディレクター