激動時代の未来ビジョンとは

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著者 富士通Director of Strategy and Foresight, SOGA David Gentle
この記事はFujitsu Blogに掲載された「Does our vision of the future need to change?」の抄訳です。

企業が未来ビジョンを示すことは不可欠です。しかし、今回の新型コロナウイルスによる予想外の社会変化を受けて、ビジョンを根本的に見直す必要があるのでしょうか。

富士通株式会社 未来洞察担当ディレクターのデビッド・ジェントル氏はこう述べています。「目まぐるしく変化する道のりでも、ヒューマンセントリックが私たちのビジョンであることに変わりはありません。」

Fujitsu Technology and Service Visionがお客様、パートナー様、社員、ステークホルダーにとって、どのような意味を持つのかをデビッド・ジェントル氏に詳しく聞きました。

まず、Fujitsu Technology and Service Visionのねらいをお聞かせください。

Fujitsu Technology and Service Visionは、未来の展望についての富士通の考え、そしてより良い未来を創造するために、富士通が企業としてどのような取り組みを行っているのかについてまとめたものになっています。

私たちは、真にヒューマンセントリックな未来の構築を可能にするトレンドやテクノロジーに焦点を当て、年に一度内容を見直し発信しています。お客様、パートナー様、社員に向けて、12カ月で変化したこと、あるいは変化していないことを探り、浮き彫りにするのが目的です。

Fujitsu Technology and Service Visionでは、ビジネスに留まらず、社会全体が直面している課題を大きな潮流の中で見極めるよう志しています。そして、それら課題に対処するにはどのようにテクノロジーを活用できるのか。特にデジタルトランスフォーメーション(DX)がどのような役割を担えるのかを提示しています。

そして、富士通の世界中のお客様やコミュニティーの意思決定や戦略の策定に役立ちたいという願いが基盤にあります。

また、富士通自身にとっても、重要な役割を占めています。全世界で13万人を超える富士通の社員がお客様に向けて一貫性のあるメッセージを発信し、価値を提供することができるのです。

新型コロナウイルスのパンデミックにより大きな影響を受けていると思いますが、富士通のゴールは変わったのでしょうか。

人を中心とした考え(ヒューマンセントリック)がテクノロジーとサービスの究極の目的であることは変わりません。但し、どのような要因がより重要なのか、それらのスキルをどう定義するのかという点を、パンデミックによって改めて考えさせられたのは否めません。

そこで最も重要なのが信頼(トラスト)と変化対応力(レジリエンス)です。

昨年のFujitsu Technology and Service Visionでは、混沌とした世界を背景にトラステッドな未来を牽引することに焦点をおきました。政情不安や気候変動に対して、企業がいかに倫理的に対応すべきか。あるいはフェイクニュースやプライバシーの問題などで、新しいテクノロジーがどのような役割を果たしているのかについて、見ていきました。

今日、より大きな社会的エコシステムの中で、企業が占めるべき位置を見極めるのがいかに重要なのかが明確になりました。これは新型コロナウイルスのパンデミックで、今ビジネスが置かれている状況をみれば明白ですが、以前から重要だった動向にさらに焦点が絞られたというのが実のところです。

株主だけでなく社会やコミュニティーに向けて価値を生み出しているのはどの企業か、という問いかけは人々の意識の中でますます高まっていくでしょう。長期的でサステナブルな成長の実現のために、企業は社会に対する使命(パーパス)を明確化し、その実現に向けて行動しなければなりません。

変化対応力(レジリエンス)は昨年提言した2つめのポイントですが、新型コロナウイルスのパンデミックによって、その重要性がさらに増幅されています。

昨年は、目まぐるしい変化を遂げるテクノロジーに、いかにビジネスが適用できるかという観点から見ていました。しかし、レジリエンスには、最も予測できない極端な状況にどう対応できるかという要素も含まれていることが明確になりました。

トラストもレジリエンスも非常にヒューマンセントリックな特性ですね。
今年のFujitsu Technology and Service Visionでは、企業の従業員に対する認識の変化についても描かれていますか。

全体的な変化がボトムアップで起きています。特にビジネスリーダーは「人」にフォーカスを合わせるようになってきています。向上心と熱意にあふれた職場と人のスキル支援、そして、お客様だけでなく幅広い社会に貢献することの重要性に気づいています。「人」があらゆるレベルで真の原動力となっており、その結果、大きな社会の枠組みの中でポジティブな役割を果たそうとする企業が増えています。この現象はマルチステークホルダーの世界への移行と見られています。

ヒューマンセントリックなアプローチを取るビジネス環境の中で、テクノロジーが担うべき役割とは何でしょうか。

テクノロジーは遠隔のコミュニケーションやリスクの割り出しなど、目的達成のためのツールとして今まで以上に活躍しています。

テクノロジーのダイナミックな活用のための3つの柱が説明可能なAI、デジタルアニーラ、デジタルトラストです。Fujitsu Technology and Service Visionではこれらについても触れられています。

説明可能なAIは、なぜAIソリューションがその答えを導いたのか、「理由」を提示します。単なるブラックボックスではありません。「理由」が必要不可欠な状況は数多くあります。がん診断の画像検査がその一例です。

デジタルアニーラは、量子コンピューティングに着想を得たデジタル回路で、現在の汎用コンピュータでは解くことが難しい「組合せ最適化問題」を高速で解く新しい技術です。金融ポートフォリオ管理、新薬開発、交通制御、自動車製造など幅広い分野で応用実績があります。

デジタルトラストはブロックチェーン生体認証(バイオメトリクス)サイバーセキュリティなどのテクノロジーに支えられ、デジタル世界に透明性と堅牢なセキュリティを提供します。しかし、テクノロジーはソリューションの一部でしかありません。そこで、私たちはテクノロジーの恩恵を最大限に活用できる新しいビジネスを開拓していく必要があります。

今年のFujitsu Technology and Service Visionのおすすめのポイントは何でしょう。

上述したように、多くの富士通社員がヒューマンセントリックな未来ビジョンを共有していると思います。しかし、近年経験したように、計画が失敗しなくても、世界的な変動によって未来への道が妨げられることがあるということを学びました。

Fujitsu Technology and Service Visionは未来に向けて険しい道のりを歩むにあたり、少し立ち止まって進路調整を行う機会となるものです。

Fujitsu Technology and Service Visionはこちらよりご覧いただけます。上記でご紹介したようにビジョンの実現に向けたトレンドやテクノロジーについて描かれていますので、ダウンロードの上、ぜひご一読ください。