ショッピング体験をデジタル技術で提供する「オムニチャネル・マーケティング」とは

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昨今、消費者が買い物をする際には、状況に応じて、いくつものデバイスとチャネルが利用されることが普通です。しかし、環境が著しく変化ししている今日では、チャネルの大部分のデジタル化しが進行しています。その中でも、特に、顧客との最初の接点から最後まで、完全にシームレスで統合されたショッピング体験をデジタル技術によって提供するアプローチが、オムニチャネル・マーケティングです。

マーケティング・ソリューション企業であるPFLとデマンド・メトリック両社の最新の調査結果によると、消費者に接触して有意義なエンゲージメントを実現する上で、レスポンス率が最も高いのは、オムニチャネル・キャンペーンで4~6つのチャネルを使用するマーケティング担当者であることがわかりました。

Omnichannel Marketing

調査参加者のうちで、よいレスポンスが得られたと答えた人の割合と、その使用チャネル数

また、オムニチャネルマーケティングキャンペーンの成功要因の上位を占めたのは、データ精度、対象者ニーズの理解、ブランディングでした。

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マルチチャネル・キャンペーンを成功させるために重要な要素

さらに、調査参加者の大部分となる84%が、ダイレクトメールもキャンペーンのパフォーマンスを改善すると回答しました。

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そして、ダイレクトメールを含めた場合、レスポンス率とROIも比較的高くなります。

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さて、正確にはどのようなチャネルが使用されることが多いのでしょうか? 調査対象のマーケティング担当者からは、以下のようなさまざまなチャネルが挙がってきました。

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「平均的なマルチチャネルキャンペーンから得られるROIをどう評価しますか?」との質問には、参加者の半数以上が「ROIは高い」または「ROIは非常に高い」と回答しました。

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オムニチャネルで買い物する現代の顧客を自社に乗り換えてもらうための戦略

オンラインでの勝負に注力する

ご存じのように、新型コロナウイルスの大流行でオンラインチャネルを利用し始めた消費者が増え、eコマースでの支出は急増しています。しかし、人気のデジタルチャネルに対してコンテンツやプロモーションをばらまくようなオンラインプレゼンスだけでは、もはや十分ではありません。

消費者は、購入サイクルのどこにいるかによって、異なるチャネルで調査を行い、推薦の言葉を探し、価格を比較するものです。購入に興味がある製品を提供するブランドをグーグルで検索することからはじめ、ソーシャルメディアサイトをチェックして顧客のレビューを読み、あなたの会社のウェブサイトにアクセスして在庫をチェックし、多分、カートにいくつか商品を入れたとしても、続けて他のサイトへ移動してオンラインレビューを再度読むかもしれません。

購入への道のりは個々に異なりますが、購入過程全体の中では、それぞれの段階が重要な役割を果たします。そのため、オンラインプレゼンスも極力焦点を絞りつつ、複数のデジタルチャネルで非常に目立つものにする必要があるのです。

消費者の生の声を集めて企業サイトで利用できるサービスを行っているバザーボイスによれば、平均的な買い物客は、約10.4個の情報源を使用して購入を決めるとされています。この情報は新型コロナウイルスの前に収集されたものですが、現在、消費者は多くの場合に物理的な店舗に行けない状況にあったり、下調べには出向かないという判断をしています。このため、利用できるチャネル内の情報源で実際に使われる数は、より多くなっていることはないとしても、同数程度はあるでしょう。

いずれにしても、消費者は複数のチャネルに散らばっています。つまり、企業としては、SEO対策、ソーシャルメディアチャネルの多様化、複数のサイトでのオンラインレビューの積極的奨励を進めると共に、映像、写真、コンテスト、プロモーションといったコンテンツの情報共有を十分行うことに重点的に取り組む必要がある、ということです。今の時代、消費者は製品、サービス、ブランドを自ら調べて発見しています。その受け皿となるうえで、強力で多様なオンラインチャネルの重要性がかつてないほど高まっているのです。

新しいテクノロジーで従来のツールセット以上を目指す

テクノロジーは絶えず進化しており、消費者が期待する体験とチャネル間のシームレスな移動をより簡単に実現するのに役立つ、新しいプラットフォームとソリューションを企業に提供します。現代のマーケティング担当者はテクノロジー関連の支出およびソリューションを管理することが増えているため、商品の棚卸しをするように、既存のソリューションについても付加価値を追加して業務効率を高めるものを仕分ける時期に来ているのかもしれません。

検討すべき上位テクノロジーには、カスタマー・ジャーニー・ツールや、CDPことカスタマー・データ・プラットフォームを利用する、マーケティング・オートメーションなどがあります。広告調査会社のアドバタイザー・パーセプションズによる最近の調査でも、マーケティング担当者はCDPを活用してカスタマーエンゲージメントの改善やデジタル広告の強化などの利点を実現していることが明らかになりました。

AdPerceptions Important CDP Objectives Apr2020

回答者は、さまざまな優先順位を持つ複数の目標を念頭にCDPを使用しています。約8割にあたる77%がカスタマー・エンゲージメントを主要目的とし、これが、マーケティング担当者がCDPを使用する一番の理由になっています。2番目はオンラインとオフラインの両方での売り上げ改善(64%)、3番目は顧客獲得(62%)、4番目はブランディング(50%)です。

複数のチャネルのデータを統合してシングル・カスタマー・ビューを実現

消費者は、ブランドを、さまざまなチャネルの集合ではなく、単一の存在として考えます。電子メール、ソーシャルメディア、カスタマーサービス、または店舗といった、さまざまなチャネルのどこで消費者と交流を図るかにかかわらず、シームレスなカスタマーエクスペリエンスを消費者に提供する必要性が幾度となくいわれてきたのも、そのためです。エンゲージメントごとに、消費者の好き嫌いや、次に購入しそうなもの、あるいは、チャネルの好みなどがわかり、それに付随する大量のデータが収集されます。しかし、それぞれのチャネルを別の存在として運用するならば、システム間で顧客情報を共有することで得られるシングル・カスタマー・ビューを実現することは不可能です。

この複数のチャネルにわたるシングル・カスタマー・ビューの実現は、オムニチャネル戦略の成功を牽引する究極の目的となっています。オムニチャネル戦略のコンサルティングを行うアジルワンの調査によると、オムニチャネル・ビューがない場合、最も重要な上位1割の顧客の70%を把握できません。また、アドバタイザー・パーセプションズの調査によると、回答者は、複数のチャネルとデバイスにわたるシングル・カスタマー・ビューをCDPの最も重要な機能と位置づけています。

消費者は、自分がどのようなショッピング体験を求めているかを理解したうえで、好みのチャネルで自由に買い物や選択を行っています。そのため、各ブランドは、パーソナライズした関連メッセージとシームレスなカスタマー・ジャーニーによって、現代の消費者を満足させる必要があるのです。そして、オムニチャネルの価値を理解し、シングル・カスタマー・ビューを実現できたブランドには、より熱烈で、商品により多くの金額を使い、ブランドとの有意義な体験を発信してくれるような、忠誠心の高い推薦者が集まることになるでしょう。

この記事は元々、オムニチャネル・マーケティングのコンサルティング企業であるV12データのブログに掲載されたものです。

 

この記事はBusiness2Community向けにラリサ・ベドグッドが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願い致します。

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