99%のマーケターが重要視、CX向上のためのパーソナライゼーション

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顧客にとって有益かつ有意義で、魅力を感じる優れたCXの提供は、あらゆる業種の企業やマーケターにとっての最重要課題です。個々の顧客に向けてサービス内容をカスタマイズするパーソナライゼーションは、そのようなCXを実現するための鍵であり、成功するマーケティング戦略に欠かせない要素と考えられています。年を追うごとに企業に対する顧客の期待やテクノロジーの力は高まっており、パーソナライゼーションがCXに大きな影響を与えて顧客との関係を深める上で極めて重要な役割を果たすことも、ますます明らかとなりました。

パーソナライゼーションと顧客データのプラットフォームを提供しているエバーゲージと、調査会社のリサーチスケープ・インターナショナルが共同で実施した第7回年次パーソナライゼーション動向調査では、パーソナライゼーションに対するマーケターの視点やアプローチを、実際に得られた成果や今後の方針に関する考えと併せて調べています。また、先ごろ開催されたウェビナーでは、エバーゲージの最高マーケティング責任者のアンディー・ジマーマン氏と、顧客マーケティングコンサルタントのポーラ・クリーラー氏が、主な調査結果について議論・分析しました。

本記事では、そのウェビナーにおける重要な論点をいくつか紹介していきますが、さらに詳しく分析したい方はウェビナーの映像記録をご覧ください。

パーソナライゼーションはCX改善の鍵

マーケターは、これまで以上にパーソナライゼーションがビジネスに必須の要素となり、顧客や潜在顧客と長続きする関係を育てるために不可欠な存在になっていると考えています。特に今年は、99%のマーケターがパーソナライゼーションは顧客との関係に良い影響を与えると回答し、昨年の70%から8ポイント増加した78%のマーケターが、その影響を「大きい」または「極めて大きい」と捉えていることが明らかになりました。さらに、昨年の85%から7ポイント増加した92%のマーケッターが、潜在的な顧客や既存の顧客がパーソナライズされたCXに期待しているとも答えています。

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顧客との関係の深化や顧客ニーズの実現を考えた場合、マーケターがパーソナライゼーションを導入する一番の動機は、一般的には「顧客のブランド忠実度向上」と「投資対効果創出」の2点が考えられがちですが、それぞれの割合は61%と59%であり、実際に最も高率だったものは、89%を占めた「CX改善」でした。

投資対効果の測定も依然として重要な要素ですが、ここ何年かは、顧客や潜在顧客そのものの重要性に比べると、以前ほど優先順位は高くなくなっているように見受けられます。現実問題として、マーケターは、より長期的な観点からパーソナライゼーションの価値を考えており、CXを改善すれば、通常は自然とブランド忠実度や投資対効果も向上するためです。

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マーケターはパーソナライゼーションの成熟度向上に向けて踏み出している

パーソナライゼーションで実現しうることについての知識が広まったため、今では顧客とマーケターの双方が、CXに関する高い基準を持つ傾向が見られるようになりました。そのうえでマーケターは、まだ解決すべき課題が残されていることを認めています。というのは、マーケターの46%が自社のパーソナライゼーションの成熟度を「低い」、41%が「中程度」と評価した一方で、自社のプログラムが「高度」または「最高レベル」と答えた回答者は10人に1人強(11%)にすぎないからです。

しかし、明るい材料もあります。自社のパーソナライゼーションの成熟度を「中程度」と評価する割合が2018年の33%から41%に増加したほか、成熟度を「ゼロ」または「低い」と評価した割合が、2018年の56%に対して今年は48%へと減少するなど、全体的な成熟度の評価が過去3年間連続で上昇傾向にあるのです。これは、マーケターがパーソナライゼーションに関するスキルと知識を高めていることの表れといえるでしょう。

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マーケターはより高度な戦術を採用している

電子メールとウェブサイトは、どちらもパーソナライゼーションが最も進んでいるチャネルであり、それぞれ78%と56%の割合を占めています。それらを通じて展開されるマーケティング手法はますます進歩しており、以下に主な例を挙げてみました。

  • インラインコンテンツ、つまり、マーケターがページや画面、電子メールに対して動的に挿入可能な追加のコンテンツは、最も一般的なパーソナライゼーション手法であるといえ、前年比12ポイント増となる62%のマーケターがこの方法を用いています。インラインコンテンツは、より自然なパーソナライゼーション体験をもたらし、カスタマージャーニーを阻害することがありません。
  • 電子メールのパーソナライゼーションを使用しているマーケターの48%、すなわち半数近くが訪問者の行動に基づいて購買のきっかけとなるメールを送信しており、その割合は前年比で3ポイントの増加を見せています。そのようなメールは、顧客の関心やアクションに基づいて送信され、ショッピングカートに入ったまま購入が完了していない商品があることを気づかせたり、望ましい次のアクションを起こさせたりすることができます。
  • また、マシンラーニングを利用したパーソナライゼーションも増加傾向にあり、2018年の26%に対して2020年は46%に増えています。AIの一形態であるマシンラーニングは、特に1対1のパーソナライゼーションを大規模に実現するための鍵でとなる技術です。

これらのパーソナライゼーション手法は比較的高度なものであり、その結果として得られるCXの向上は、多くの場合、顧客からも好まれる傾向にあります。その理由は、インラインコンテンツはよりシームレスなCXをもたらし、トリガーメールは瞬間的な顧客のニーズや関心にタイムリーに対応し、マシンラーニングによるパーソナライゼーションは、チャネルを超えて入手可能なすべてのデータを考慮に入れた要素に対して適用されるため、より正確なレコメンデーションの提供を実現できるからです。これらはすべて、マーケターが自らのパーソナライゼーションスキルを向上させるために、時間やリソースを費やしていることを示唆しています。

課題はあっても、優れた結果がパーソナライゼーションを後押しする

ほとんどのマーケターは、CXのパーソナライゼーションにおいてかなりの成果を上げているものの、依然として改善の余地があると考えています。例えば、52%のマーケターは、マーケティング活動に使用しているパーソナライゼーションのレベルについて「不満」または「やや満足」としており、「ある程度満足」と答えた回答者は35%にとどまりました。その要因として、56%、つまり半数以上の回答者が十分なデータや知見の欠如を挙げています。また、パーソナライゼーションを組織の重要な優先事項であると捉えながらも、人員不足がそれを阻む障害であるとする割合は54%に上り、それに続くものが、44%を示した予算不足です。

とはいえ、全体として見れば、これらの障害は減少傾向にあるといえます。そして、パーソナライゼーションの目覚ましい成果と実証済みの投資対効果によって、マーケターはこうした課題を克服し、CXを向上させてきました。その結果、印象的な効果が得られるようになっています。

  • 97%のマーケターは、パーソナライゼーションによって目に見える業績改善を実現しています。
  • 特に58%のマーケッターは、10%を超える業績改善を達成しました。
  • そのような業績の改善は、過去3年間を見ても上昇傾向にあります。たとえば、パーソナライゼーションによる業績改善を報告するマーケターの割合は、2018年の87%、2019年の90%に対し、今年は97%に増加しているのです。

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これらの結果を、CXに関してパーソナライゼーションが持つ大きな影響と併せて考えると、85%のマーケターが「組織内でのパーソナライゼーションの優先順位を上げるべき」と考えているのもうなずけます。さらに、97%の企業は、今年のパーソナライゼーションの予算を増やすか、維持する計画です。このことは、パーソナライゼーションには極めて大きなビジネスインパクトがあり、現実にパーソナライゼーション戦術が普及していることを浮き彫りにしているといえるでしょう。

結論

昨今のビジネス状況の中で、企業はデジタル技術に対する取り組みを強化しています。多くの企業にとって、現在、オンラインチャネルが顧客にリーチする唯一の手段となっているからです。そのため、顧客がウォンツとニーズを満たす助けとなるよう適切に考えら、合理的にパーソナライズされたCXを提供することは、以前にも増して重要となりました。

今年の調査結果は、主に新型コロナウイルスの発生初期にあたる2月20日~3月27日の間に収集されたものですが、その結果は、ここ数年にわたって見られてきたパーソナライゼーションの普及度、成熟度、および成果の上昇傾向を反映すると共に、マーケターが引き続きこの取り組みを強く意識していることを物語っています。顧客がパーソナライズされたCXに期待し、マーケターがそれに応じた対応を行なっているということです。

パーソナライゼーションに関する知識が高度化し、目覚ましい成果が得られるようになった結果、単にパーソナライズするだけでなく、巧みにパーソナライズすることの重要性を、あらゆる業種のマーケターが認識することになりました。こうしたパーソナライゼーション戦略の拡大と改善を重視する傾向は、今後数年間にわたって続く可能性が高いと考えられるでしょう。

 

この記事はBusiness2Community向けにカミール・ルイクヘイバーが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。