RPAは外注頼り!? RPAシナリオを職員自ら作成し、最大74%の時間を短縮

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毎日繰り返される単純業務を正確に、かつ効率良く処理するには?

日々の仕事の中には、決まった業務を繰り返す定型業務が意外に多いものです。例えば、「ある資料から、別の資料にデータを転記する」といった単純作業の繰り返し業務です。

こうした業務を効率良くこなすために、システムやソフトウェアでの自動化に取り組む企業や組織・団体も増えています。特に少子高齢化が社会問題となっている現在、労働人口も減少し、働き手が不足している中では、「少ない人数で、いかに効率よく定型業務をこなしていくか」は解決しなくてはいけない大きな課題と言えます。

その課題に取り組んだのが、三重県伊勢市でした。自治体は、法律や条例に定められた定型業務が少なくありません。それらは決められた手順に則って正しく処理しなくてはいけないため、手間や時間がかかり、作業者には大きな負担になっていました。その解決策として伊勢市が注目したのが、定型業務を自動化するRPA(Robotic Process Automation)でした。

人間の定型業務を代行するRPA、導入は進むがその課題とは

RPAとは、人間の代わりにソフトウェアロボットが、パソコンでの定型作業を代行するシステムです。実は、RPAは伊勢市をはじめ、様々な自治体での導入が進んでいますが、一方ではその活用にあたっての課題も浮き彫りになっていました。RPAの活用では、「どういった作業を、どういった手順で自動化するのか」といった「シナリオ」をITベンダーのシステムエンジニア(SE)やITに詳しい自治体の職員が作成し、それをRPAに登録する必要がありました。しかし、自動化したい業務が増えるたびにITベンダーのSEにシナリオ作成を依頼していては時間もコストもかかります。また、ITに詳しい職員が異動した場合等、RPAシナリオ作成のノウハウを継承することが困難となってしまいます。つまり、シナリオの素早い作成や修正、ノウハウの蓄積と管理等において課題が生じていたのです。

そこで伊勢市は、ITの高度な専門知識が不要で誰にでも使いやすいRPAツール「FUJITSU Software Axelute for IC21」(以下「Axelute for IC21」)を採用。さらに、富士通は、伊勢市の職員向けにRPAの操作研修やトレーニングサービスを実施し、RPAシナリオ作成ノウハウを提供しました。

RPAシナリオを外注していたら、時間もコストもかかる

伊勢市では、導入効果とともにRPAのシナリオ作成と修正の負担がどう軽減されたかも検証しました。RPAの活用では、業務一つひとつにシナリオを作る必要があるため、自動化したい業務の数だけシナリオを作らなくてはいけません。そして「RPAが正しく機能するように、適切なシナリオを作成する」のは容易ではなく、現実的には、システム開発会社に外注したり、一部のITに詳しい職員の力に頼ったりするケースがほとんどでした。

また「資料の一部を転記する」という業務を実行するロボットで「書類の書式が少し変更になった」というような場合でも、シナリオを修正しなくてはいけません。この修正もまた、システム開発会社やITに詳しい職員に依頼することになります。

しかし、外注する場合は、予算確保、修正依頼、修正後の確認等が伴うため、短期間での素早い修正は難しく、シナリオの修正が済むまでは、以前のように人間の手による作業に戻らざるを得ませんでした。

職員自らRPAシナリオ作成・修正を行い、スピーディに対応

シナリオの作成や修正を効率的に、かつコストを抑えて実行できるようにしなければ、RPAも気軽に活用できません。それには、職員自身がシナリオを作成できるようにすることが大切です。そこで伊勢市では、「Axelute for IC21」の導入に際し、職員によるシナリオの内製化に取り組みました。

それを支援するため、富士通は伊勢市に伺い、操作研修を開催。そこではシナリオ作成から実行、検証までの一連の流れを、職員の皆さんが習得できるように支援しました。また、トレーニングサービスでは、効率化を図りたい6つの業務を選定し、職員自身でシナリオを作成できるよう、ノウハウを生かした技術支援を行いました。

写真 : 職員向けに研修カリキュラムを実施し、自身でシナリオを作成できるよう支援

職員向けに研修カリキュラムを実施し、自身でシナリオを作成できるよう支援

これらの支援の結果、伊勢市では「受給者番号入力」「課税資料の印刷」「源泉徴収票作成」「国民健康保険料の過払いに対する還付業務」等の業務について、職員自身が作ったシナリオを使ってのRPAによる自動化を実行できるようになりました。

国民健康保険料の過払いに対する還付業務の自動化では、「①還付対象者リストから宛名番号をコピー→②システム上で宛名番号を検索し、対象者を特定→③還付通知書と決議書を印刷」という一連の作業が年間約1800件あり、約72時間かかっていましたが、RPAを活用したところ、半分の36時間に削減できました。

写真 : RPA活用により、定型作業にかかる時間が大幅に短縮化

RPA活用により、定型作業にかかる時間が大幅に短縮化

操作研修やトレーニングサービスにより、職員自身がシナリオを作成し、修正もスピーディに進めています。RPAをさらに多くの業務に適用すれば、定型業務にかかっていた時間を大幅に短縮でき、職員の働き方改革の推進にも寄与することができます。また職員は、削減した時間を有効活用し、より市民サービスに直結した業務にシフトすることが可能となり、行政サービスの向上にも繋がります。

この成果を受けて伊勢市では、RPAの全庁展開に向けて適用業務を広げつつ、シナリオ作成を内製化できる職員の拡充を目指します。

富士通は、今後も市民サービスの向上に繋がる自治体の業務効率化、職員の働き方改革の推進を支援していきます。(「Axelute for IC21」は「FUJITSU 自治体ソリューション INTERCOMMUNITY21(以下、「IC21」)」シリーズのRPAシナリオテンプレートの提供や、導入規模に応じた高い利便性・運用性を追求した製品機能のエンハンスを継続。RPAの試験導入から全庁展開、複数自治体での共同利用までトータルにサポートし、自治体職員の働き方改革に貢献していきます。)