カスタマーサービスにAIを活用する7つのメリット

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AIは、少し前まではSFの領域の話でした。しかし、今やビジネスの世界で現実のAIの応用例を目にする機会が、ますます増えています。映画「ターミネーター」シリーズでは否定的に描かれているAIですが、もちろん実際には大いに肯定的な側面もあるからこそ、普及が進んでいるのです。

特に最近ではAI関連のテクノロジーに次から次へと新たな機能が追加され、そのメリットも、目に見えて増えてきています。中でも、正しく組み込まれたAIが大いに活躍できる分野の1つが、カスタマーサービスです。AIのカスタマーサービスにおけるメリットが組織全体に浸透すれば、全社的なAIの導入も素早く実現できるでしょう。

実は、企業がかつてないほどの規模で業務のオンライン化を進める中で、カスタマーサービスが担う役割はさらに拡大しています。現在は、世界全体に広がる新型コロナウイルスの影響により、企業は事業の存続を可能にするためのツールを求めています。その理由としては、従業員が一時帰休に追い込まれたことに加えて、オンラインのインフラ整備に対する需要がそれだけ高まっていることもあるが挙げられるでしょう。これまで顧客対応の分野で手作業や人間のスタッフに頼ってきたシステムや企業が、今では、ビジネスを進化させるためにAIを求めているようになったのです。

以下に挙げるAIのメリットは、カスタマーサービス分野でこのテクノロジーを活用するうえで、最も重要なポイントといえます。そして、AI導入の効果を最大化したいのであれば、これらを複合的に組み合わせて利用することを心がけてください。さらに、AIの新たな活用方法についても常に情報収集に努め、注意を払っておくことも忘れずに。

1. 大量のデータを処理する

顧客とのやり取りが増えるにつれて、関連するデータも増えていきます。しかし、このような大量のデータを手に入れても、AIがなければ宝の持ち腐れです。人間は大量のデータを短時間で処理することができません。それを補ううえで、AIはとても有用なツールとなってくれるのです。

AIでデータを処理すると、顧客の行動に対する役立つ洞察や予測が得られます。これを活用しれば、ターゲットを絞った販売キャンペーンを展開したり、顧客の問い合わせや不満に関する厄介で複雑な問題を解決したりすることができるでしょう。データで表計算ソフトを埋めるだけでは、さっぱり役に立ちません。データを活用するための助けとなる、強力でしっかりとしたAIベースのCRM、つまりインテリジェントな顧客管理システムを備えることが重要なのです。

2. AHTこと平均処理時間を減らす

顧客対応における平均処理時間の削減は、カスタマーサービスにAIを活用するメリットの中で、最も顕著な効果の1つです。そして、これほど重要なメリットを最初に享受するのは、それまでサービスやサポートを受ける待ち時間についての不満を訴えていた顧客自身だという点が、とても重要であるといえます。

今では、AIベースのチャットボットによって、基本的な問い合わせや要求に即座に対応できるようになった企業が増えました。一方で顧客は、迅速にサービスを受けたり、実際に何かが起こる前にリマインダーやお知らせを受け取ることができるようになっています。たとえば、購入から24時間以内に商品を手にしたり、配送システムやプログラムを通じて、配送中の商品を簡単に追跡したりすることが可能なのです。さらに、オンラインで納品されるサービスやアプリのような無形の商品であれば、顧客は、購入とほぼ同時にそれらを利用することができてしまいます。

3. 商品をカスタマイズして売上を伸ばす

各顧客に合わせて商品に調整を加えるカスタマイズは、顧客対応の新たな領域です。すでに、自分好みにカスタマイズできることが当たり前と感じている顧客も増えつつあり、そのようなサービスに対する需要は高まる一方といえます。

顧客にとってさらに望ましいのは、サービスのカスタマイズが、さまざまなレベルにおいてできることでしょう。たとえば、パーソナライズされたメールの送信も、その1つです。個人の好みやセンス、地理的な場所、過去の購入履歴などを考慮して作成されたメールを顧客に送信し、その後で、メールの内容を共有したチャットボットやカスタマーサポートの担当者が、顧客とさらに深いレベルのやり取りを行うようなことが考えられます。

4. 効果的なオムニチャネルの存在

複数のコミュニケーションチャネルを用意し、さまざまな方法で顧客とのやり取りが可能になると、いくつものプラスの変化が現れます。最初のメリットは、常時、何らかの方法で顧客と連絡が取れるようになることです。また、ほとんどの場合、こうしたチャネルは、顧客が常に様々な情報ソースから企業の情報を得ることを促す触媒的な役割も果たしてくれます。

ところが、複数のコミュニケーションチャネルの存在は、大量のデータとチャネルへの対応という、新しい課題も生み出しました。この状況に対処する意味でも、AIはすべてのデータやチャネルを管理するための最適な手段になります。AIならば、さまざまな情報源からのデータをスピーディに収集し、短時間で処理できるからです。

また、AIによって、顧客ごとの情報ファイルや、さまざまなチャネルを通じて行われた顧客とのやり取りの記録を、1つにまとめることができます。そして、その情報を活用することで、顧客からの連絡をすべて把握した上で、優れたカスタマーサービスを提供することが可能となるのです。

担当者全員が情報を共有し利用するためには、必要な情報を一元的に管理できるCRMが必要となります。CRM製品の中には、強力なレポートとダッシュボード機能を提供しているものもあり、これらを利用することで、どのチャネルからでも顧客とその期待にうまく応えられるようになるはずです。

5. 企業との積極的でシームレスな体験

企業によるオペレーション全体へのAIツールの導入は、顧客にとって、企業とのやり取りをより快適なものとするチャンスの訪れを意味します。つまり、あらゆるタッチポイントにAIが関わることで、プロセス全体で統一的な顧客対応が可能となるのです。

たとえば、ある顧客は、自分の好みに応じてレコメンデーションがパーソナライズされたメールを受け取ることができます。そして、実際に商品を注文した後は、購入先の企業のAIプラットフォームを利用して商品の配送状況を追跡し、商品がいつ来るのかを確認できるというわけです。

さらに、商品を受け取った顧客は、チャットボットを通じてフィードバックを提供したり、カスタマーサポートと連絡を取ったりするかもしれません。このようにして、商品の購入から受け取り、利用、アフターサービスに至るまで、顧客が必要とするすべてのサービスが、とてもスムーズ、かつシームレスに実現するわけです。

現にアマゾンのようなトップ企業は、このような方法でプロセス全体を統合化しています。それだけでなく、毎日のように多くの企業がこうしたCXの向上に取り組み、同様のプロセスの実現を目指しているのです。

6. リソースを最適化する

企業がカスタマーサービスの分野でAIを活用すると、顧客対応のさまざまなリソースが自然に最適なバランスとなり、同様の最適化がいろいろなところで見られるようになります。たとえば、企業にチャットボットが導入されれば、カスタマーサポートの担当者は、人間でなければ対応できないような厄介な問い合わせや要求、苦情に対して、さらに効率的に対処できるようになるわけです。

もう1つの例は、一部の小売業者が店舗運営のために収集するデータに関係しています。顧客から収集されたデータをAIが分析し、その結果に基づいた予測を行うことで、業者は適切な意思決定を下せるのです。

カスタマーサービスの分野では、長い間、AIやマシンラーニングの普及によって仕事が奪われるのではないかと恐れられてきました。確かに当たっている部分もありますが、現実には、奪われる仕事がよりも新たに生み出される仕事のほうが多いということを理解する必要があります。現時点のAIは、完全に単独で業務を遂行できるほど賢くはなく、必ず何からの形で人間の介在が必要です。したがって、単純で単調な作業や仕事をAIで置き換えて、人間はより複雑な作業により集中して取り組むようなシナリオが考えられ、後者のための人材へのニーズは高まることが予想されます。

7. 24時間365日対応

年中無休の顧客対応の提供は、世界中のさまざまな時間帯にある地域に顧客を抱えるグローバル企業にとって、特に重要です。さらに、顧客はそれぞれに異なるスケジュールで眠ったり働いたりするため、新しい生活様式の中で、これまでにない行動パターンをとることもありえます。したがって、今後は、顧客がカスタマーサービス部門に連絡を取ったり、やり取りしたりするための方法が、さらに多様化する可能性も出てきました。

AIは、24時間365日、年中無休で接続とやり取りを可能にするテクノロジーであるからこそ、こうした状況下における課題の解決策となりえます。顧客にチャットボットを利用してもらうか、ナレッジベースにセルフサービスで問い合わせをしてもらい、最初の対応をAIで行うようになっていれば、人間のスタッフと連絡を取れない時間帯であっても継続的な顧客サービスを受けることができ、満足度も上がるのです。

結論

AIの時代は、すぐそこまで迫っています。それは必然ともいえる流れでしょう。その影響は、すでに多くの業界や企業において感じられますが、顧客の立場から見れば、ほとんどがプラスに感じられるような影響です。しかも、AIベースのテクノロジーは、現在人間が処理しているほぼすべての作業に組み込むことができます。

結局のところ、カスタマーサービスが、ビジネスにおけるAI導入の最も大きなメリットが得られる分野の1つであることからも、このテクノロジーの開発と進歩の目標は、人間の生活をより良くすることにあったといえるでしょう。

最後に、あえてAIが最も得意とする分野を挙げるとすれば、それは、間違いなくデータの収集と分析です。これらの処理に強いAIは、企業の業務の進め方に明らかに大きな変化をもたらしています。その他のAI関連の開発も、すべては何らかの形でデータの活用に基づいているといって過言ではありません。

ここで言及したAIのメリットは、特に実感されやすいものが中心です。そして、これらのメリットは、カスタマーサービス以外の、目に触れにくい多くの分野にも影響を与えていくことになります。その観点から、カスタマーサービスにおけるAI導入の成功は、企業全体のメリットを意味しているのです。

この記事は元々、CX関連情報のブログであるCX Masterに掲載されたものです。

 

この記事はBusiness2Communityのハッチ・モーザリアが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

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