DX推進の効果、どう測る?

メインビジュアル : DX推進の効果、どう測る?

「ニューエコノミーの中で生き残り、成長するには、どの企業も今すぐデジタルビジネスへと進化する必要がある」、つまり「テクノロジーを中心に置く必要がある」という考えは、実業界にすっかり浸透しています。とはいえ、多くの企業がデジタルトランスフォーメーションプロジェクトでつまずいていることも事実です。これにはいくつかの理由があり、問題の範囲は「リーダーシップの欠如」とともに「そもそも、デジタルテクノロジー自体がビジネス全体にわたって組み込まれていない」ということから、「顧客が求めるものを企業が理解できていない」にも関わらず「商取引がますます顧客主導へとシフトしつつある」というところまで及びます。

これらの問題を克服するには、しっかりした戦略を立てることはもちろんですが、ビジネスリーダーが、DX戦略を立てるためにさまざまなプロジェクトを把握する目的で、DXの効果を正しく測定できるような一連の指標を定める必要があるでしょう。多くの場合、それらの指標は、KPIこと「重要業績評価指標」の形で表されます。KPIとは、企業が重要なビジネス目標をどれだけ効果的に達成しているかを示す、測定可能な値のです。

調査会社のガートナーがまとめた記事では、DXに最適な指標の条件として、「ビジネス成果に対して明確に定義された妥当な因果関係を持つこと」、「景気の動きに遅れて反応する遅行指数ではなく、先んじて反応する先行指数の役割を果たすものであること」、「特定の限定されたオーディエンスに対応するものであること」、「ITに精通していないオーディエンスでも理解できること」、「状況が、正常から警告、そして危険へと変わる際に、対応するためのアクションを促すものであること」などのポイントを挙げています。

では、ふさわしい指標とはどのようなものかを、以下にリストアップしてみましょう。

1.全般的な指標

AIベースの検索サービスを提供するルシッドワークスのヨーロッパ地域担当副社長であるジョン・ウェスタン氏が書いた記事によると、DXで企業が検討してもよいと思われる指標の種類として、「統合検索に関係するデータソース」、「DXの実施期間中に統合されたデータセットの数」、「改革プロジェクトの事業化率」、「プロジェクトにかかっているコスト」、「単調な作業の自動化後、スタッフがより大きな目標に取り組むために必要な追加の時間」などを挙げたうえで、汎用的な表現で示したこれらの領域を、各企業が固有の目標に合わせて落とし込む必要があるとしています。

2.顧客にとっての価値

「リーダーが新たに注目すべき指標とは、『顧客にとっての価値』に焦点を当てたものである」という考えを提示しているのは、ジム・ハイスミス氏、リンダ・ルウ氏、デビッド・ロビンソン氏が共同執筆した『エッジ :バリューに着目したDX』というタイトルの書籍です。著者の3名は、アジャイルソフトウェア開発に特化した世界的なITコンサルティング業者であるソートワークスにおいて、それぞれ取締役コンサルタント、主席プロダクト&ポートフォリオ・コンサルタント、主席ビジネス・トランスフォーメーション・コンサルタントを務めています。同書では、顧客の視点から、1つの重要な指標を提案しているといえるでしょう。

3.顧客体験

この重要指標は、企業のエコシステムの中で顧客をどれだけ円滑にナビゲートできるかを測定することに関連しています。真のDX担当者は、この点に注目して、顧客体験が改善されたサインを見つけるものだからです。

4.生産性

企業内部の指標の一例としては、生産性が挙げられます。これは投資された時間とリソースに対して、得られた成果の量や価値に関連する指標です。企業が顧客サポートを支援するためにデジタルツールに投資した場合、システムの運用がどれだけうまくいっているか、そして、そのためのスタッフトレーニングがどれだけ効果的だったかを測定することが、生産性の目安となるでしょう。たとえば、新しいシステムを導入したことで、顧客対応チームが新たに処理できるようになるサポートキャパシティの増加数を評価する方法が考えられます。

5.価格

この種の指標は、企業が自社と競合他社の販売価格を把握することで得られます。たとえば、VRデバイスの現在の価格を把握するためには、こちらのレポートの没入テクノロジーに関する項目を分析することが考えられます。

6.データ収集

アナリストのジェームズ・ワーナー氏は、DXの指標に利用できるデータを収集するための情報源として、IoTデバイスを挙げます。これには、それらのデバイスと同期するモバイルアプリに対応した、アンドロイド、iOS、ウィンドウズの各プラットフォームのタブレットやスマートフォンも含まれます。

この記事では、DXを確実に成功させるためのヒントとして、指標の効果と必要性に関する参考情報を提供しましたが、このほかにも特定のビジネスに関連する指標の例は数多くあります。したがって、自社の業務内容に即した指標を見つけて活用することが重要なのです。

この記事はDigital Journal に掲載され、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

 

※本記事の文中のリンクは英語ページに遷移します。