金融業界で生き残るために!いま求められる銀行の姿とは

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銀行業界ほど、テクノロジーが根本的かつ目まぐるしい変化をもたらしている業界は、そうそうありません。英国では、すでにモバイルバンキングによって目抜き通りに立つ実店舗から客足が遠のいている一方で、米国でもユーザーの61%が、他行に乗り換える理由に、より良いモバイルバンキング体験を求めてのことであると答えました。

こうした動きがペースを速めている要因は、英国と欧州におけるオープンバンキングなどをめぐる規制の変化と、顧客体験の向上に関する期待の高まりが重なったことにあります。Z世代と、ある程度までのミレニアル世代は、あらゆるサービスに対して、QoE、つまり「体験の質」が優れていることを期待すると同時に、すべての個人データに関して自らが主導権と所有権を持ったうえで、可視性が確保される状態を望んでいるのです。

そのため金融機関は、次世代のバンキングサービスを実現することが、この業界で生き残り、成長を続けるための基盤となります。デジタルネイティブ世代によるフィンテック企業が、従来型バンキングを行う既存銀行に対して真っ向から、しかも多くの場合、非常に効果的に渡り合っている状況の中では、わずか数年前まで最先端だと考えられていた概念や手法が、すでに標準的なソリューションとなっていることも珍しくありません。ブロックチェーンAIは、どちらもその最たる例です。

銀行業務のデジタル化は、世界中で銀行サービスを十分に、あるいはまったく利用できない人々の生活をすでに一変させてきました。しかしそうしたレベルの改革は、銀行業務に関する規制と消費者の好みが、顧客中心でデジタル化され国家の枠を越える体験を可能にする方向へとシフトする中において、実現できることの氷山の一角にすぎないのです。

以下に、次世代バンキングを推進するうえで押さえるべきチェックポイントを挙げてみました。

1.運用モデルがデジタル戦略に対応しているか?

これは、別の言葉でいい換えると、「新しいデジタルサービスの市場化を加速させながら、最適なパフォーマンス、機能、品質を確保できる能力が、銀行業界のほぼすべての企業にとっての基本要件になりつつある」ということです。DXを支えるこの手法は、開発と運用を意味する英単語を組み合わせて「デブオプス」と呼ばれますが、その成否は、企業のデジタルライフサイクルにおいて繰り返される幾千ものテストの最適化、および、それに続く自動化に大きく依存します。

DXとそれに伴う品質保証やソフトウェアテストを手掛けるインフォテックという企業は、以前に、世界最大手のある銀行に協力して、新しいデジタルサービスの市場化を加速できるようにする目的で、同銀行のDXのベースとなる体制をデブオプスモデルへと移行しました。その際には、プログラムのコード変更が発生すると、自動的に構築、テスト、および実稼働環境へのリリース準備が実行されるコーデッドパイプライン処理内において、5つの事業部門をカバーする100種類以上のアプリを自動化した結果、アプリのオンボーディング、つまり、初めて利用するユーザーが慣れるまで時間を5日間から30分に短縮するとともに、テストの作業効率を30%向上させることに成功したのです。デブオプスとアジャイルの実践に向けたインフォストレッチのアプローチの詳細については、こちらに記されています。

2.デジタルバンキングへの取り組みを加速させるにはどうすればよいか?

デジタル時代におけるビジネスアジリティ、すなわち、変化するビジネス環境に迅速に対応するための基本は、「継続的デリバリーのフレームワーク導入」にあります。アプリのコード変更が発生した際に、自動で実稼働環境へのリリース準備が実行されることを意味するこれは、デジタルネイティブ世代が起業したネオバンクやフィンテック起業への対抗を目指す、あらゆる金融機関にとって必須の要件です。

先ほど述べた世界最大手の銀行の例でいえば、同行は従来のツールの使用をやめて継続的デリバリーの枠組みに移行できたことによって、サービスを市場に出すまでの時間を短縮でき、デジタル・ソリューションの品質を高めるとともに、開発ライフサイクル全体でコストと時間を大幅に効率化させることに成功しました。また、ある主要国立銀行の場合には、ビジネスチャンスの特定から商品のリリースまで、そのバリューチェーン全体を継続的デリバリーによって強化することに成功しています。

成長が加速し始めた企業には、拡張可能なデジタルインフラストラクチャーが必要です。マネジメント関連のコンサルティング企業あるグローブワンが、インフォストレッチの協力を得て、同社の急成長に対応できる開発インフラストラクチャーの構築を進めた方法がまさにこれでした。

3.顧客の生活を向上させているか?

38歳以下の銀行の顧客は、テクノロジーが顧客体験を向上させる効果に対して、それ以前の世代とは大きく異なる期待を抱いていると考えられます。そのため、どのようなデジタルトランスフォーメーションの取り組みであっても、より顧客中心の体制を整えることを主軸とすべきです。それに役立つツール類も存在していており、EUにおける決済サービスのための新たな法的枠組みであるPSD2こと「決済サービス指令」をはじめとする規制と、よりパーソナライズされた金融商品を提供しなければならない銀行側のプレッシャーとが重なったことで、外部サービスを自社システムから利用するためのインターフェースとなる各種APIも広く利用され始めました。

同様に、顧客のニーズを明らかにするためには、スマート分析を利用することができます。ロンドンに拠点を持つ、ある決済サービス企業は、同社の小売顧客が販売サイクルをより深く理解するうえでインフォストレッチの支援を受け、同社が新規顧客を獲得するために必要なコストを最小限に抑えることに成功しました。その際に、さまざまな種類のデータを実践的な洞察に変えるために採り入れられたものが、マシンラーニングやAI、オムニチャネルデータ分析などの次世代テクノロジーでした。

4.上記のすべてに加えて、さらに多くのことを、より少ないリソースで実現できるか?

今後とも、コスト削減のニーズがテクノロジーの採用を促す大きな原動力となることはほぼ間違いありません。ビジネス・インサイダーによれば、それを肯定する調査結果として、銀行業界のエグゼクティブの39%がテクノロジーの効果が最も大きかった項目に、コスト削減を挙げていることが報告されています。前述の世界最大手の銀行のように、従来のシステムを継続的デリバリーのパイプラインフレームワークへと最新化することによって、開発とテストのライフサイクル全体を効率を向上させることができ、18カ月で500万ドルの運用コスト削減も果たしました。

5.セキュリティで後れを取っていないか?

システム・セキュリティの向上や、不正検知および不正防止のために、ブロックチェーンとAIを利用したセキュリティ・ソリューションが果たす役割が増大することが予想されます。従来のバンキング・インフラストラクチャーでは、アクセスポイントの保護に重点を置いていましたが、デジタル化が進むエコシステムでは、開発ライフサイクルのもっと早い段階からセキュリティ上の考慮事項を設計に組み込む必要があるからです。

ある主要国立銀行の例では、インフォストレッチと協力してプロセスを最適化し、実際のアプリケーションの問題を特定する目的で15万件以上のテスト結果を分析しました。その結果、問題のパターンを特定して、それらを各エラータイプに自動的に分類することが可能なAIアルゴリズムを実装することによって、エラーの再発に対応するリグレッション担当エンジニアが重大な結果につながる可能性のある実際の不具合に集中できるような環境作りに成功し、実際のエラーを素早く簡単に見つけられるようになりました。

金融機関にとって、自動化やAI導入、アジャイルな開発体制を推進し、スマートな次世代バンキングを実現するうえで、ここに挙げたようなポイントに留意することが求められます。ぜひ、参考にしてください。

この記事は元々、インフォストレッチのブログに掲載されたものです。

 

この記事はBusiness2Community のアショク・カラニア博士が執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

 

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