「ネットダフ屋」を見逃すな! RPAが不正転売チケットをパトロール

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近年、スポーツイベントやコンサート等のチケットを高額転売する「ダフ屋行為」が後を絶たず、社会問題化しています。

全国の消費生活センターに寄せられるチケット転売に関する相談は年々増加しており、2018年度の相談件数は前年度の約2.4倍となる2,045件の相談が寄せられました。2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催も控えており、今後も不正転売チケットに関する相談件数はますます増えることが予測されています。

ネット上の「ダフ屋行為」に法規制、悲願かなうも相次ぐチケット転売

「ダフ屋行為」に対して、路上など公共の場で行われる転売については、多くの都道府県が迷惑行為防止条例で規制している一方、転売サイトやSNS等で横行する不正転売を取り締まることは困難な状況でした。

そのため、転売屋と呼ばれる業者や個人が、自動プログラムにより大量のチケットを買い占め高額転売するケースが続出し、また本来、ファンクラブ会員のみが入手できるチケットまで転売されており、スポーツイベントやコンサートへ「本当に行きたい人がチケットを買えない」チケットは完売しているのに「当日、会場には空席が目立つ」といった事態が散見されました。また、興行主側にとっても来場者が減ればグッズ購入が減り、さらに偽造チケットの拡散や反社会的勢力の介入などが横行すれば、興行主のブランドイメージ低下にもつながりかねません。チケットの不正転売は消費者だけでなく、興行主にとっても不利になる悪質な行為だと言えるでしょう。

そこで、2019年6月14日よりネット上の取引を含めたチケットの不正転売を規制するために、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(通称:チケット不正転売禁止法)」が施行されました。この法律により、特定興行入場券(興行主の同意のない有償譲渡を禁止し、興行の日時や場所、座席等に指定のあるチケット)の不正転売や、不正転売を目的としたチケットの購入に罰則が科せられるようになりました。やむを得ず転売する場合は、公式のリセールサイトを利用し、正規の手続きを踏まえれば転売は可能です。

しかし、チケット不正転売禁止法の施行後も、チケット転売に関するトラブルは後を絶ちません。その理由としては、罰則が設けられているのが特定興行入場券に限られていること、そして、イベント興行主による効果的な不正転売対策の実施が難しかったことが挙げられます。

川崎フロンターレ不正転売対策にRPAを活用、高額チケットを5分でリスト化

サッカーJ1の川崎フロンターレでも、職員が転売サイトを日々チェックし情報の収集・分析に努めていましたが、負荷が大きく具体的な転売対策を講じることが困難でした。そこで、富士通は川崎フロンターレと共同で、RPAを活用した不正転売チケットの情報収集・分析を自動化する実証実験を2019年7月11日~9月30日にかけて実施しました。

富士通が開発したRPAパトロールロボットが、チケット転売サイトを自動的に定期巡回し、出品者情報や出品日時、出品名、画像、落札金額などを収集。川崎フロンターレが、一覧化された不正転売の可能性が高いチケットを確認し、対策を検討するという実証実験です。そして、実証実験の結果、70~300件の不正転売チケットを情報取集から一覧化まで約5分で実現できました。

図 : RPAロボットが定期的にチケット転売サイトをパトロール、不正転売チケットをリスト化

RPAロボットが定期的にチケット転売サイトをパトロール、不正転売チケットをリスト化

不正転売チケットの定期監視を実現し、迅速な対応と転売予防策にも活用

川崎フロンターレでは、実証実験で一覧化した不正転売の疑いがあるチケット情報を元に、チケット転売サイトへの掲載取り消しを求めたり、年間チケット出品者の座席利用を禁止するなどの対策を実施しました。また、不正転売チケットの出品数が多い時期を把握することで、不正転売に関する啓蒙活動をSNS上で行うといった予防策も取られています。

今後、川崎フロンターレでは不正転売の撲滅に向けて転売サイトとの交渉やSNS上での啓蒙活動を続けていく予定です。一方、富士通はRPAパトロールロボットを活用したサービスをスポーツやコンサートなど各種イベントへ展開し、業務の自動化による興行主の負担軽減に向け検討していきます。