製造業におけるDX推進、IT部門が心がけるべきこと

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近年、企業は、その規模によらず、ますますコスト、効率、品質の改善を迫られるようになっています。そして、4IRとも略される第4次産業革命技術を導入すべきときが近づいているという事実も、見逃すわけにはいきません。IT部門の意思決定者は速やかに情報を収集し、CTOこと最高技術責任者を説得して、次世代のデジタルツールを導入する必要があります。

デジタルトランスフォーメーション(DX)を的確に推進するためのツールの導入が、これからの10年を生き延びるうえで必須の取り組みになると指摘するケビン・ベネット氏は、製品構成・価格設定・見積もりを統合的に管理するCPQサービスの専門企業であるKBMaxCTOです。以下に、DXに関するベネット氏の洞察をインタビュー形式でまとめてみました。

デジタル・ジャーナル(以下DJ):DXは、ビジネスにとってどの程度重要になりますか?

ケビン・ベネット:4次産業革命を迎えるうえで、DXはビジネスにとって極めて重要な要素です。現在、製造企業は非常にたくさんの新たな課題に直面しているにも関わらず、その多くがDXの導入をためらい、紙媒体に頼った業務プロセスやサイロ化したオペレーションに代表される、従来型のアプローチにこだわり続けています。

DJ:DX戦略の重要性は、どの企業も理解していますか?

ベネット:多くの企業は自社の古いやり方に固執しており、システムやプロセスの変更には及び腰です。DX戦略の重要性は理解しているかもしれませんが、そのために徹底的な改修が必要になるのではないかと恐れていて、求められるであろう作業量の多さに二の足を踏んでいるといえるでしょう。

たとえば、DX関連タスクの全工程に関する仮見積もりを行ったリーダーシップチームが、とても手に負えないと感じて、結局は、移行作業のすべてを断念してしまうということがあります。しかし、一度にすべてを実現しようとせず、次世代テクノロジーの導入を段階的に進めることで、製造企業もDXを達成するメリットを徐々に実感していくことができるのです。

DJ:IT部門の意思決定者が、DXへの全社的な賛同を得るには、どうすればよいでしょうか?

ベネット:4次産業革命が着々と近づく中、すべての企業に緊迫感を持ってイノベーションに取り組む必要性が生じています。少し前まで、DXは競争で優位に立つための戦略でしたが、今やそれは必要不可欠なものであって、導入しないという選択肢はありません。しかし、多くの企業は、まだこうした流れに遅れを取っています。

経営トップ層がDXの達成に消極的である場合、IT部門の意思決定者はどのように賛同を取り付ければ良いかとの問いに対しては、次世代テクノロジーの導入や業務プロセス変革に他社がどのように取り組んでいるかを説明するのがよい、というのが私の考えです。すでにDXに乗り出している企業の割合は全体の34%に過ぎませんが、企業の意思決定者の85%は、今後2年間にDX戦略を大きく前進させるための計画を用意しています。そのような企業のトップは、自社が先んじてDXを達成しなければ、競合企業に後れを取るリスクが非常に大きくなるということを理解しているのです。

DJ:業務への支障を最小限に抑えながらDXを導入するには、どうすればよいでしょうか?

ベネット:一般論としては、先にも触れた段階的なアプローチを推奨します。特に、クライアントごとにカスタム製品を提供している企業の場合には、何らかのCPQツールを利用することが最初の一歩として大変おすすめです。CPQツールは扱いやすいうえ、CRMこと顧客管理システムやクラウド、決済システムなどとの連携性も備えています。そして、実際にCPQツールを導入する場合は、どのデータを記録する必要があるのかなどの知見に富む、経験豊かなベンダーを選定するとよいでしょう。データの記録、解釈、整理などの作業を、独力でやり遂げようとするべきではありません。

ベンダー選定の次は、自社をより革新的なテクノロジー環境へと徐々にシフトさせるための道筋を立てることに取り組んでみましょう。まずは、CPQテクノロジーとの相性が良さそうな製品ラインを1つ選び、そこからスタートしてください。その製品ラインに関係するデータを整理できたら、見積書の自動作成を担うコンフィギュレータの構築に着手し、さらに次の段階として、見積もりの自動化をより完璧なものにするための統合化計画を立案するとよいでしょう。このようにDXの導入を少しずつ進めることで、余裕を持って問題点を洗い出し、業務プロセスを更新し、すべてのチームに変革を受け入れてもらうことができるようになるのです。

DJ:将来を見据えたとき、ITチームが関心を払うべき次の10年のトレンドは何だと思われますか?

ベネット:これからの10年間、ITチームはシステムの相互接続性と統合化に関心を払う必要があります。たとえば、製造企業のITチームは、自社のCPQ導入を支援するだけでなく、それをバックオフィスのシステムと接続することで、顧客が製品のコンフィギュレーションを行ったあと、製造図面が自動的に生成されるようにできるでしょう。このようなシステム統合によって、優れたオムニチャネル体験が実現し、顧客がどのチャネルからも製品を購入できるようになります。さらに、3Dビジュアライゼーション機能も提供されているならば、顧客は複雑なカスタム製品のイメージを自らの目で確認しながら、コンフィギュレータを使ってリアルタイムの変更を行えるようになるわけです。

また、ITチームは、ARVR技術を利用して3Dビジュアライゼーションと似た機能を提供できるツールにも目を向ける必要があります。そうしたツールは、顧客に購入前の製品を仮想的に試してもらうために利用できるでしょう。産業用機械などの複雑なカスタム製品は高価になりがちなので、クライアントが、このようなビジュアライゼーション機能を使って事前に確認することができれば、製品購入に100%の確信と満足を持っていただくための最適な手段となるはずです。

 

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