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5Gは地方創生の起爆剤となるか?新たなゴルフ体験の実証試験に成功

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いよいよ始まる! 5Gの商用サービス

2020年、いよいよ日本でも5Gの商用サービスの提供が開始されます。5Gでは、身の回りのあらゆる機械や設備をモバイル通信でつなぐことで、生活の質の向上や社会課題の解決などを目指しています。

5Gのネットワーク技術は、通信事業者以外の企業や自治体が提供する「自営の5G(ローカル5G)」の構築にも活用できます。例えば、ものづくりの現場や医療現場などでの活用が見込まれており、業種・業態を超えた新しいサービスモデルの基盤になると考えられています。特に地域の地場産業に与える影響は大きく、5Gの活用で多くのビジネスチャンスが生まれてくると考えられ、「5Gは地方創生の起爆剤になる」と期待されています。

5Gへの期待が高まる中、富士通、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、ミライト、長野京急カントリークラブ(長野京急CC)の5社は、共同で「地方創生およびゴルフ場経営改善に向けた5G実証試験」を実施しました。ゴルフ場でのプレーと5Gを融合することで、ゴルフ場経営の課題であるプレー回転率と利用者の利便性を高め、利用者の満足度向上や利用機会の創出を目指します。

今回の実証試験は、総務省が2017年度から実施している5G総合実証試験の一環です。総務省では、5Gの実現による新たな市場の創出に向け、様々な利活用分野の関係者が参加する5G総合実証試験を実施しています。現在、「令和元年度5G総合実証試験」(注1)として「超高速大容量」「超低遅延」「多数同時接続」という3つの技術分類における実証試験を全国各地で展開。今回の実証試験は、3つのうち「超高速大容量」の技術を検証するもので、2019年11月11日~11月15日に長野京急CCで行いました。

(注1)移動時において複数基地局、複数端末の環境下で平均1Gbpsを超える高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討。

写真 : 実証実験の様子

実証実験の様子

5G通信エリアを構築し、「落下地点予測」と「ライブ映像伝送」を実施

今回の実証試験において、富士通は高速な映像解析によるティーショット落下地点予測システムの提供、および複数の4K360度映像配信による先行パーティの状況確認を行いました。

図 : 5Gの「超高速大容量」という特徴を活かし、「落下地点予測」と「ライブ映像伝送」を検証

5Gの「超高速大容量」という特徴を活かし、「落下地点予測」と「ライブ映像伝送」を検証

1.落下地点予測
長野京急CCの1番ホールに28GHz帯の5G通信エリアを構築し、ゴルフプレイヤーのティー後方に高速カメラセンサーを設置してショット映像を撮影。ショットデータおよびボールの弾道を弾道分析システムで分析し、ボールの落下地点を予測するものです。

実証試験では、落下地点の予測結果を5Gで次世代ディスプレイカート(注2)とプレーヤーのタブレットに表示することに成功しました。プレーヤーのボール探しの時間短縮が見込まれ、プレーの回転率を向上させることで、ゴルフ場の経営改善に貢献できる可能性があります。なお、5Gを活用した落下地点予測サービスをゴルフ場で実施することは、初の取り組みとなります。

(注2)5Gの低遅延、大容量、高速の特性を活かして、カート付近にいる通行人に向けて高画質な映像をカートに搭載された高精細な4Kディスプレイに表示するもの。

写真 : 落下地点予測システム。落下地点の予測結果を次世代ディスプレイカートの画面やプレーヤーのタブレット端末に表示

落下地点予測システム。落下地点の予測結果を次世代ディスプレイカートの画面やプレーヤーのタブレット端末に表示

2.ライブ映像伝送
プレーヤーのティーショットを、2カ所に設置した4K360度カメラの超高精細映像で撮影し、富士通が提供する4K映像伝送システムを使用して5G端末などにライブ配信。さらに、プレーヤーが好きな視点で映像を選択して視聴できるサービスの実証試験も行いました。同じフィールド内で複数の4K360度カメラが5Gを通じて伝送する実証は、富士通として初の取り組みです。

実証試験では、複数基地局設置、複数端末を接続した環境で5G端末を搭載した次世代ディスプレイカートを移動させる中で平均1Gbpsを超える通信に成功しました。また、ボールの落下地点をプレーヤーにスムーズに示すことで、他のメンバーとリアルタイムにお互いのプレー状況を確認するなど、新たな体験を提供することができました。

写真 : ライブ映像伝送。4K360度カメラで撮影した映像のパノラマビュー画面

ライブ映像伝送。4K360度カメラで撮影した映像のパノラマビュー画面

ゴルフ場の経営改善課題を解決し、地方創生に貢献

今回の実証結果を踏まえ、5社は5G商用サービス上の実用化に向けて、サービス面やビジネス面での検証を進めていきます。将来的には、カメラを各ホールに設置することで、前後のコースの確認やコンペなどでそれぞれのプレー映像を見て、よりゴルフを楽しんでもらえるサービス提供を想定しています。これまでにはなかったエンターテインメント体験を提供することで、県内外からの利用者の増加など地方創生に貢献していきます。

富士通では、この取り組みを今後さらに発展させていく計画です。落下地点予測と映像配信に加えて、センシング技術を活用したゴルフレッスンなど他のサービスと組み合わせることも検討。ゴルフでの複合的なサービスパッケージを提供することで、全国のゴルフ場の課題に寄り添ったソリューションを提供し、地域経済を盛り上げることを目指しています。

5Gは、単に従来の移動通信システムの延長線上にあるものではなく、私たちの日常生活を劇的に変える可能性を持っている技術です。また、IoTやAI、ビッグデータなど他の先進技術が融合することで、さらに可能性は大きく膨らんでいきます。テレワークやモバイルワーク、自動運転、遠隔教育や遠隔医療なども5Gによって本格的な実用化・普及が一気に加速するでしょう。5Gが社会全体の常識や価値観までも大きく変える転換点となることも十分考えられます。

富士通は、これまでと同様に通信キャリア向けの基地局構築を担います。また、モビリティ対応や大量データ送受信、分散データ統合管理、最適リソース配備といった機能を備えるICT環境を提供することで、5G社会の実現を後押ししていきます。