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日本女子バスケに熱視線!注目の3人制「3x3(スリーエックススリー)」の魅力とは

【未来を創るチカラ SPORTS編Vol.4】富士通レッドウェーブ篠崎澪選手×チームスタッフ

メインビジュアル : 日本女子バスケに熱視線!注目の3人制「3x3(スリーエックススリー)」の魅力とは

東京2020オリンピックから新種目として採用された「3x3(スリーエックススリー)」。ストリート発祥の「3on3(スリーオンスリー)」と呼ばれて親しまれた3人制バスケットボールに世界統一のルールを設け正式競技として発展させたスポーツで、世界的に盛り上がりを見せています。女子日本代表は、2019年5月のFIBAアジア杯で銅メダルを獲得し、また10月のU23ワールド杯では日本バスケ史上初となる世界一の快挙を遂げて勢いに乗っています。

アジア杯銅メダリストとしてこれからも日本代表での活躍が楽しみな、富士通レッドウェーブの篠崎澪選手に「3x3」の見どころや、選手としての想いを語ってもらいました。さらに特集コラムでは、レッドウェーブを支えるチームスタッフに、ICTやテクノロジーの活用はなぜ今必要とされ、どのような可能性に期待が広がるのか聞いていきます。

「3x3」バスケのルールとは?5人制との違い

ーー 5人制バスケットボールと「3x3」のルールの違いを教えていただけますか。

篠崎 まず1チーム3人で、交代枠1人を加えて4人まで登録することができます。コートは5人制の半面のうち4分の3くらい(縦11m横15m)を使用します。ボールのサイズが違うのも3x3の1つの特徴で、一般女子が使用する6号ボールの大きさで、一般男子が使用する7号の重さがあります。3x3ではスリーポイントラインのことを「アーク」と呼ぶのですが、アーク外からシュートが決まると2点、内側からは1点。試合開始や普通のファウルは“チェックボール”といって審判からディフェンス側のプレーヤーがボールを受け取り、オフェンス側のプレーヤーに渡すところから始まります。試合は21点先取か、10分1ピリオドで終わり。短いです。

写真 : 篠崎選手日本代表活動中の写真

篠崎選手日本代表活動中の写真

ショットクロック(注1)は、5人制では24秒ですが、「3x3」は半分の12秒です。相手チームのシュートが入るか、リバウンドでボールを取っても、一度ドリブルやパスでアークの外にボールを出してからでないとオフェンスを始めなければなりません。ファウルは1人何回しても退場なし。チームで7回ファウルがたまるとペナルティで相手にフリースロー2本(注2)が与えられます。「3x3」はオフェンスとディフェンスの攻守の切り替えが非常に早く、10分間休めないです。(笑)

(注1)ボールを取ったチームは12秒以内にボールから手を放し、ゴールに成功するかボールがリングに触れなければならない。
(注2)ファウル10回以上は攻撃権も相手に与えられる。

ノンストップの面白さ、ストリート生まれで迫力満点

ーー プレーされていて、どのようなところに「3x3」の魅力を感じますか。

篠崎 私は結構ずっと動いているタイプなので、止まらずに動いている「3x3」はプレーしていてもすごく楽しいです。展開も速いので、観ていても楽しいと思います。それに加えて観客との距離が近いです。大会でもラインぎりぎりのところにお客さんがいて、ストリートにいるような、他では味わったことのない近さで歓声が上がるので、その声を聞いているだけで『わーっ!』と高まります(笑)観ている人もきっと肌で感じられる距離だと思います。

世界大会で躍進!意識した練習が勝利につながった

ーー 2019年に日本チームが大躍進を遂げられた要因は何だったのでしょうか。

篠崎 スピードを生かしたプレーを特に重点的に練習したことと、厳しくディフェンスをして相手を攻めづらくしたこと。まずアークの枠外へ出てからでないとオフェンスを始められないので、(ショットクロック12秒の中で)相手がオフェンスに掛けられる秒数を短くさせるために、日本チームは相手が枠の外に出ようとするまでの間のディフェンスをハードに頑張ろうと意識して練習しました。もしオフェンスに使える時間が9秒あったらパスしてパスランやスクリーンプレー(注3)を使われてしまったりするけれど、時間が短かければ1シュートだけで済みます。それが試合でもうまくいって、勝利につながった部分も大きいと思います。あとやっぱり控え選手も含めて4人ともアーク外からの2ポイントシュートを打てる、というところも強みですね。

(注3)相手チームの選手の視界や進路をさえぎるように立って、味方選手を助けるプレー

東京2020出場のために、越えなければならない壁がある

ーー アジア杯での手応えは、東京2020オリンピックに向けて日本チームのストロングポイントになりそうですね。

篠崎 さらにアジア杯でもまだまだトランジションが遅い、ディフェンスもまだまだタイトじゃないという反省も出たので、もっともっと練習していかなければいけないところです。

ーー ここには負けたくない、というライバル国チームはありますか。

篠崎 みんなライバルですが、今シーズンいままでの大会では全部オーストラリアに負けているんです。強くて高さもあって、全部上から攻められてやられてしまいました。開催国枠は女子の「3x3」にはないので予選に出なければならないのですが、予選の同じ組にオーストラリアがいて、まずここに勝たなければなりません。

ーー 篠崎選手の今の目標を教えていただけますか。

篠崎 まずオリンピックに向けて、代表メンバーに入って、予選を勝ち抜くことが直近の目標です。
レッドウェーブではWリーグ優勝という夢があります。私は6年目なのですが、これまで惜しいところまでは行っているけれどまだ頂点を獲ったことがありません。現在とてもチームの状況も流れも良く、今シーズンは優勝を狙うチャンスですし、私も選手として先もまぁそんなに長くないので(笑)チームで優勝したいです。そこに向かってやっていくことが必ず「3x3」にも繋がっていくと思うので、今いる母体のチームを大切に、優勝を目標に頑張っていきたいと思います。


<アナリスト&コーチが語る>スポーツ×ICTの可能性~海外で進むICT活用、日本の現場では?~

撮影した映像や測定した数値、相手の情報など様々なデータをチームが有効に活用するには、スポーツアナリティクス、データを解析する技術や、オペレーションできるアナリストやコーチ陣が重要です。そのデータ収集から解析に関わるスポーツICTを、富士通はサッカーの川崎フロンターレ、アメフトの富士通フロンティアーズ、そして富士通レッドウェーブなどの協力によってトライアル、フィードバックを行い、現場の声を反映させながら開発を進めています。テクノロジーを扱うチームスタッフの意識は今、現場でどのように変わってきているのでしょうか。

経験則の重視からデータ活用へ、意識は変わるか

ーー 米国をはじめ世界の様々なスポーツ界で活用が広がっているICTですが、日本のスポーツの現場でのICT活用状況はいかがでしょうか。

阿蘓 分析や相手のスカウティングなどデータを使って調べることの重要性は日に日に増していると感じています。しかし、ただ扱えるコーチもまだ多くはないのかなと。コーチの中には経験則を重視し映像などを活用しない人もおり、日本であまり普及しない要因の一つかもしれません。日下さんや宮永さんのようなコーチはデータや映像にも抵抗が少なくとても敏感なので、世代交代していくにつれて日本でもよりスポーツアナリティクスは必須になっていくと思います。

写真 : アナリスト 阿蘓宗之

アナリスト 阿蘓宗之

フィジカルの部分でも、日本はデータを使う文化が少ないと感じます。『何分試合に出場したから次何本走って』と経験則で判断することも多いです。海外では選手の心拍数を管理することもあり、それが一概にいいのかはわかりませんが、選手のコンディション維持や、若手の育成時に、もっと上手にデータを活用し効率的・効果的にできたら、怪我等のリスクも減らせるのではないかと思います。

レッドウェーブのチームスタッフが着目する数字データは?

ーー BTテーブスHCをはじめ、チームスタッフの皆さんが着目している数字はありますか。

写真 : アシスタントコーチの日下光(左)・宮永雄太(右)

アシスタントコーチの日下光(左)・宮永雄太(右)

日下 3ポイントの本数と確率は、高いパーセンテージを目指しているので気にしていますね。また、切り替えのスポーツなので、ディフェンスも関係するトランジションの回数と、そこからどれだけポイントを取れたか。他にも、プレーコール(サインプレー)でどれだけ攻められているのかを見たりします。しかし何が有効かは数字という結果だけで判断するのではなく、どこが良かったか過程を観るコーチ陣の目がないとダメだと思っています。

テクノロジーによって縁の下の選手の頑張りにも光があたる

ーー 今後スポーツICTにどのようなことを期待されますか。

宮永 映像再生技術に課題があるとすると、スピード感ですね。『今のシュートの場面出して』と言った時にすぐに出せる、そのスピードが日本のソフトにはまだないので。映像高速再生ソフトや、新しい機能の技術が開発されてきた時に、使う人がどこまで活用できるかが重要な部分だと思います。

阿蘓 ボールと人を自動的に認識して判別もしてくれる技術が実用化されたら、すごいことだなと思います。例えば試合で華やかにシュートを決めた選手のために、必死にリバウンドをとったり、パスを出したり、スクリーンをかけている選手のプレーも見えてくる。裏で頑張って努力している選手にも注目が集まるようになったら、応援したいと思うファンの方もきっといて、ファン層も大きくなると思いますし、視点として面白いのかなと。

もし日本のアリーナに5Gで環境が整えば、リアルタイムにタブレットでボックススコア(注4)を見られるようになったり、選手の動きがわかったりするようになると画期的ですね。どこまでできるかわかりませんが、その先頭に立っているのが富士通だったらいいなと思います。

(注4)チームや個人のプレー成績をまとめた“スタッツ”一覧

写真 : 篠崎・町田両選手を挟んで左から阿蘓宗之・宮永雄太・日下光

篠崎・町田両選手を挟んで左から阿蘓宗之・宮永雄太・日下光


篠崎選手からファンの方々へのメッセージ

今シーズンは、最初から最後まで富士通らしいバスケット、プレーをお見せして、皆さんにも元気や勇気を与えられるように頑張っていきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします。

プロフィール
篠崎 澪

写真 : 篠崎 澪

コートネームは「シィ」。神奈川県出身。
旭中学校から金沢総合高等学校に進みインターハイベスト4。松蔭大学に進学しインカレ優勝。卒業後2014年に富士通レッドウェーブに加入。2015年はユニバーシアード、アジア選手権の日本代表に選出された。現在、3x3(スリーエックススリー)の日本代表としても数々の世界大会を経験し日本を代表するガードフォワードとして活躍中。

「篠崎選手と同じく、富士通レッドウェーブで活躍し人気の町田選手のインタビュー記事もこちらからご覧いただけます」

日本女子バスケに熱視線!「アジア杯」4連覇の先へ 【未来を創るチカラ SPORTS編Vol.4】富士通レッドウェーブ町田瑠唯選手×チームスタッフ
URL https://blog.global.fujitsu.com/jp/2020-01-14/01/