日本女子バスケに熱視線!「アジア杯」4連覇の先へ

【未来を創るチカラ SPORTS編Vol.4】富士通レッドウェーブ町田瑠唯選手×チームスタッフ

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NBAで日本人初のドラフト1巡目指名を受けた八村塁選手の活躍などで、熱視線を浴びる日本のバスケットボール界。そんな中、日本代表チーム「AkatsukiFive女子」は2019年9月にFIBA女子アジア杯で4連覇を達成し、東京2020オリンピックに向けて躍進しています。今回は、2020年1月19日に開催されるWリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)オールスター人気投票でEastチーム1位に選出され、人気実力ともに日本女子バスケ界を代表する富士通レッドウェーブのキャプテン町田瑠唯選手に、今シーズンへの意気込みやオリンピックに懸ける想いを語ってもらいました。さらに特集コラムとして、レッドウェーブを支えるチームスタッフに、ICTやテクノロジーが日々どのように活用され、また求められているのか聞いていきます。

今シーズンの富士通レッドウェーブは、ワクワクする!

ーー 開幕戦で昨年度優勝のJX-ENEOSを破り好調なスタートを切ったレッドウェーブですが、町田選手から見たチームのストロングポイントはどのようなところですか。

町田 レッドウェーブは、身長はあまり高くないのですが、スピードと運動量があり、トランジション(攻守の切り替え)やディフェンスからのファストブレイク(速攻)、そして外郭から得点を取れるところが持ち味かなと思います。コートにいる全員が3ポイントシュートを打てるので、今シーズンは2ポイントシュートと同じくらいの本数を打てています。

アジア杯4連覇!嬉しさと悔しさを感じた大会

ーー 日本代表としては、2019年9月のFIBA女子アジア杯中心メンバーとして4連覇に貢献されました。どんな気持ちでしたか?

町田 4連覇できたことは本当に嬉しかったのですが、個人としては全試合先発メンバーで出させてもらい、そこで日本のペースやリズムをうまく作ることができなかったので、嬉しさと悔しさと、もっと成長しなきゃいけないという気持ちをとても感じた大会でした。自分のプレーを出し切れなかった、あまり出せていなかったことが、まだまだ課題です。

写真 : アジア杯4連覇時の日本代表集合写真

アジア杯4連覇時の日本代表集合写真

U19で世界を経験、小さな身体で戦える自信になった

ーー リオデジャネイロでのオリンピックにも出場し決勝トーナメントに進出。ベスト8入賞を経験されるなど、国内外の第一線で活躍されてこられましたが、ターニングポイントはありましたか。

町田 レッドウェーブに入って1年目にU19世界選手権の日本代表に選ばれた時に、初めて世界を経験しました。当時は私なんかが代表に選ばれるなんて思っていなかったので、すごく嬉しかったのと“世界でこの身長が通用するのか?!(笑)”という楽しみな気持ちで大会に臨みました。

結果はチームとして日本は世界7位。個人としては大会ベスト5、アシスト王に選んでいただき、自身の中では“スピードが武器”だと思っていたことが世界で通用したので自信になりました。実業団に入れただけでもとても嬉しかったのですが、もっと上のレベルでやりたい、トップの日本代表としてバスケをしてみたいという気持ちになった大会でした。

写真 : 町田選手日本代表活動中の写真

町田選手日本代表活動中の写真

チームの夢を叶えて、東京2020オリンピックへ

ーー 東京2020オリンピックに向けて予選大会が2月に始まり、開催国枠をすでに獲得している日本を含む12カ国の出場が決まります。日本代表チームのストロングポイントをお聞きできますか。

町田 日本の選手は、世界と比べると身長が小さいので高さでは勝てないですが、運動量やスピード、平面では勝てると思います。レッドウェーブと似ているのですが、トランジションの速い、展開の速いバスケで、試合に出ている5人全員が3ポイントを打てるのは強みだと思います。

ーー 東京2020オリンピックで注目しているライバルチームはありますか。

町田 どのチームも強くてライバルではありますが、リオオリンピック(準々決勝)でアメリカにボロボロに負けたので、やはり勝ちたいという思いがあります。アメリカチームは強かった。うまかったです。

ーー 町田選手の今の目標を教えていただけますか。

町田 目標は、まず東京オリンピックに出場できるようにやっていきたいと思うのですが、私的にはレッドウェーブとしてチームで優勝することが第一にあります。それには自分の成長が絶対に必要だと思うので、東京オリンピックのためにも、その前にリーグ優勝できるように、一つひとつレベルアップしていけるように頑張ります。


<アナリスト&コーチが語る>スポーツ×ICTの可能性~強さの秘訣、分析と戦略づくり~

レッドウェーブの指揮官はカナダ出身のBTテーブスヘッドコーチですが、その両脇を固め頭脳をサポートしチーム全体の強化に向けて活動しているのは、アシスタントコーチの日下光・宮永雄太とアナリストの阿蘓宗之です。WリーグでもICTの活用が推進されており、富士通の技術開発もレッドウェーブの協力のもと進められています。

ーー アシスタントコーチとアナリストのチームでの役割や仕事についてお聞かせください。

日下 練習の分析や対戦相手のスカウティング(情報分析)を、富士通ではこの3人で役割分担して行っています。アシスタントコーチとしての主な仕事は、ヘッドコーチと選手の架け橋になること。選手が不安な顔をしていればその部分の説明をしたり、逆の場合もあります。

宮永 若い選手たちにスキルや技術を教えて上達をサポートしています。その選手らしいプレーを試合で出せた時や活躍できた時は僕らも嬉しいです。

写真 : アシスタントコーチの日下光(左)・宮永雄太(右)

アシスタントコーチの日下光(左)・宮永雄太(右)

阿蘓 マネージャーが撮影した練習や試合の映像を、解析ソフトを使ったり編集したりして、コーチ陣で一緒に見ながら反省点などを話し合い、次の練習に活かしています。映像を選手と共有するために使っているハドル(クラウドサービス)の作業は僕がメインでやっています。アナリストとして二人と違うところは、試合中にベンチに入らず会場の上から見て、リアルタイムでアナライズしていくところです。チームのオフェンスやディフェンスでどこがうまくいっているのか、個人のスタッツ(得点・アシストといった成績ポイント)等々を数字に表して、ハーフタイムなどに伝え、次の戦略・戦術づくりのサポートをします。

写真 : アナリスト 阿蘓宗之

アナリスト 阿蘓宗之

ヘッドコーチと選手のサポートに、映像解析は欠かせない

ーー 映像解析を使ったサポートのメリットはどのようなところですか。

日下 言葉だけで伝えるより映像を見せて『ここはこうだよね』と言った方が、選手の立場、目線からすると指示を理解しやすいと思います。

阿蘓 僕ら3人もヘッドコーチも、それぞれ視点や考えが違うこともあるので、ヘッドコーチに意見がある時にも映像をパッと見せて『このプレーのこの部分が〜』と言える環境は大きいですね。選手にアウトプットする際はもちろんですが、コーチ陣で共有できることの方が、使いどころは多いかもしれないです。

写真 : 2013-2015の2シーズンと、2018年からレッドウェーブの指揮を執るBTテーブスヘッドコーチ

2013-2015の2シーズンと、2018年からレッドウェーブの指揮を執るBTテーブスヘッドコーチ

レッドウェーブの好調は、データに表れている

ーー コーチ陣から見た今シーズンのチームのストロングポイントと、課題を教えてください。

宮永 今シーズンのレッドウェーブは、ディフェンスに関しては強度が増して一段レベルアップしていると感じています。一方オフェンスでは、3ポイントを決める確率として40%超を目指しているのですが、今いい状態でキープできています。これがもし入らなくなった時に、どうアジャストできるかが、去年終盤にできなかった課題です。

阿蘓 ディフェンスは失点でも、今シーズンはリーグ1位に立つなど、数値でも成長が確実に見えています。これからリーグ戦を終えてプレイオフになった時は、チーム全体として、本当に一つになって戦えるかも鍵になると思います。

日下 選手たちには苦しい場面も乗り越えられるリーダーシップや修正能力が必要になってくると思うので、これは課題でもありますが、どういう風になるのか楽しみでもあります。


町田選手からファンの方々へのメッセージ

いつも応援ありがとうございます。リーグが開幕して、いいスタートが切れたと思うのですが、これから本当に大事な試合が続くと思うので、チーム一丸となって今年のチームの目標でもあるファイナル(注1)進出に向けて頑張っていきたいと思いますので、ご声援よろしくお願いします。

(注1)ファイナル=レギュラーシーズンの成績上位8チームによるプレーオフトーナメントの決勝戦

プロフィール
町田 瑠唯

写真 : 町田 瑠唯

コートネームは「ルイ」。北海道旭川市出身。
札幌山の手高校では3年次の2010年に主将としてインターハイ・国体・ウインターカップの三冠に導いた。卒業後2011年に富士通レッドウェーブ加入。ルーキーシーズンの2011-12シーズンは、Wリーグルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞。2014-15シーズンは、アシスト数でリーグ1位の成績を残し、リーグベスト5初選出。現在日本を代表するガードとして活躍中。

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