5Gの現状と来るべき未来

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ワイヤレスで広帯域のセルラー通信技術に少しでも関心を持っている方であれば、次世代通信技術の5Gの話題は必ず目にしていることでしょう。新しい携帯電話の広告ではしきりに「5G対応」がうたわれ、各通信キャリアは自社こそが「最高の5Gネットワーク」を提供していると声高にアピールしています。そして、テクノロジーの専門家たちも、「5Gがいかにコミュニケーションと通信のあり方を変えるか」という予測をひっきりなしに発表してきました。

このように5Gに対する期待は膨れ上がる一方ですが、実は、ここに1つの問題があります。

5Gの問題点

それは、テクノロジーとしての5Gの本質は「まだ本格的に始まっていない」ということです。5G対応端末とネットワークをすでに利用しているユーザーでさえ、たまにその能力の一端を垣間見る程度なのですから。実際のところ、5Gを利用できているごく一部のユーザーも、ときに4K画質の映画のまるごと1本を1秒以内にダウンロードできることもあれば、次の瞬間には4Gあるいはそれ以下の通信速度に戻されてしまうというのが現状です。

またアップルが最近発表したiPhoneの新しいラインアップからも、微妙なメッセージを読み取ることができます。どの新端末にも、5Gのサポートが含まれていないのです。これは、5Gがまだ必須のテクノロジーとまではいえないことを示す明らかなサインといえるでしょう。アップルとその膨大な数のユーザーが5Gのサポート開始まであと1年は様子見をするとなれば、このテクノロジーはしばらく「まだ始まったばかり」の段階にとどまると見なしてよさそうです。

ところが、5Gは以前から、この「まだ始まったばかり」の段階がずっと続いているようにも思えるため、誰もがじれったさを感じているかもしれません。いろいろな意味で、「次世代の」無線技術としては、かつてないほどスローな展開にも思えます。そこで、ここで少し、5Gの歴史を振り返ってみましょう。

5Gの歴史

2008年以降、国や企業はこぞって5Gネットワークの構築に多額の資金を投じてきました。今年4月には、韓国が5G技術の導入において、国として一番乗りを果たしています。といっても実際には、そのわずか数時間後に米国も5Gの導入を達成しました。それでも韓国が「世界初」の称号を手に入れたことには変わりなく、同国の大手通信事業者は各社の5G戦略を計画どおり実行に移して、初日だけで4万人を超える新規ユーザーを獲得したといいます。

そして、そのわずか2日後に、サムスンが初の5Gスマートフォンをリリースしました。ところが、端末が5Gネットワーク用にセットアップされていても、そもそもほとんどの5Gネットワークがごく限られた範囲でしか提供されていないため、あまり意味を感じられないのが現状です。

一方、米国に話を戻すと、米通信大手のベライゾンは、ある種の実験場として20195月からシカゴで5Gネットワークの提供を開始しています。しかし、そのレビューはあまり良いものではありません。というのも、このネットワークは屋内での利用が想定されていないうえ、5G基地局の近くでなければ使用できないためです。おまけに、実験的な運用なので、機能するときが限られています。これに限らず、世界的にどのプロバイダーの5Gネットワークもまだテストが必要な段階にあり、それぞれが抱える問題を取り除いていかなければならない状態のようです。

総じていえば、一部の新し物好きのユーザーを除けば、5Gはまだ標準的なネットワーク環境ではありません。ただし、もちろん今後は、そうなる可能性が高いといえます。

2020年に向けてのビジョン

ここまでの話は、決して「5Gには待つだけの価値がない」といっているわけではないのです。本格化な普及が進めば、ユーザーは街を歩きながら、現在の家や職場の環境よりも高速のインターネットを楽しめるようになるでしょう。そして、5Gが一般化するにつれ、アプリケーション、サービス、新デバイスのイノベーションが大きく後押しされていくはずです。

さらに最近のニュースとして、ベライゾンのCEOが、来年には米国の半分にあたる地域で5Gの展開を予定していると発表しました。一方、中国には5G関連事業に4,000億ドルを投じる計画があり、米国を上回る投資を続けていくことになります。また他のレポートによれば、5Gの加入者数は2024年までに15億人に上るとのことです。

これは、驚くべきことです。現状の技術が、これほど多くのうたい文句があふれているにもかかわらず、約束されたレベルの性能を発揮するところまで到達していないとしても、5Gがセルラー通信技術における最優先項目であるというトレンドは明らかです。5Gが世界規模で本格展開されるようになるには、もう少し時間と投資が必要ですが、そうなったときには、次世代通信技術としての本領が発揮されることでしょう。

 

この記事は元々、インターネットベースのマーケティングとセールスのソリューション事業を展開するアバディーン・グループのサイトに掲載されました。

 

この記事はBusiness2Community向けにジム・ラポーザが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

 

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