DXはターゲットを絞り的確に:無駄を防ぐ対処法

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米経営コンサルティング会社のアリックスパートナーズが、消費者向け製品業界で働く世界中の大手企業のシニアエグゼクティブを対象にしてデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の聞き取り調査を行いました。対象となったのは、中国、フランス、ドイツ、インド、英国、米国のシニアエグゼクティブ、計1,110名です。この調査の結果、企業のDXプロジェクトに対して、特にマーケティングや取引関連事業への投資という形で投じられる資金の50%以上が無駄になっており、大きな成果が得られていないことが明らかとなりました。

消費者向け製品業界における収益性と成長の両立:実践的なDX」と名付けられた今回の調査の対象には、食品・飲料、家庭用品、健康・美容の各分野の企業が含まれています。これらの各企業では、実店舗での商品の販売が落ち込み、インターネット販売が伸びているという共通点がありました。これらのセクター全体で、ネット通販の売り上げは年間約2,180億ドルを占め、さらに2023年にかけて4,400億ドル程度にまで成長すると見られています。

DXの成功を阻む人材不足と目標の定まらない企業文化

DXのチャンスを生かしきれない要因の1つとして挙げられたのが、DXのかじ取りに適した専門家が採用されていないことによる、社内的な「人材不足」です。また、このセクターに投じられた資金が世界全体で数十億ドル規模に上るにもかかわらず、多くの企業で「資金不足」が生じているという点も、阻害要因の1つとされています。さらに、最後の要因として「企業文化」も挙げられました。とりわけ、取締役会の意向が絶対視される、上意下達の文化が問題です。これらの要因が重なり合い、DXの成功を阻む主な障害となっているのです。

デジタルコマースの成長

その一方で、今回の調査を通じてプラスの材料もいくつか見つかりました。デジタルコマースが企業戦略の重要なパートを占め、業界に2,200億ドル規模の成長機会をもたらそうとしていることです。さらにこの調査では、戦略のターゲットを絞り、成果を測定し、調整を加えることで収益性と成長を両立できると指摘されています。その場合のポイントは、これらの戦略を適切に設定することです。

DX実現に必要な的確かつターゲットを絞った手法

こうした調査結果を踏まえ、アリックスパートナーズのグローバルリーダーであるデイビッド・ガーフィールド氏は、デジタル・ジャーナルに寄せたコメントの中で、いくつかの企業は「部署単位では、それなりにうまく革新を成功させている」と記しました。反面、それらの企業でも「その規模と複雑さから企業文化を変えることは難しく、それらの革新を全社規模に拡大することの困難さを感じる。結局のところDXを成功させるには、CEOをはじめとする会社のリーダーシップチームが、変化を阻む最もやっかいな障害となることの多い、従来の文化的、組織的、構造的なサイロを率先して破壊していく必要がある」とも述べています。

デジタル化による成長の可能性を追求するうえで立ちはだかる問題を解決するために、ただ資金がつぎ込まれ、数十億ドルもの投資が無駄になってきました。しかし、デジタル化のためのデジタル化なら誰の役にも立ちません。そして、今回の調査からも明らかなように、企業はデジタル化による理想を追い求める中で、高くつく過ちを今もたくさん犯しています。それでも、的確かつターゲットを絞ったDX手法を採用すれば、成功はいつか必ず訪れるはずです。そのような手法によって、消費者とのエンゲージメントやデータアナリティクスを実現できる可能性は飛躍的に高まります。この分野で後れをとっている企業が、他社に追いつき、追い越したいと思うならば、今こそが、成功という果実を手にするために、迅速にDXを進める良いタイミングだといえるでしょう。

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