銀行のDXで求められる企業文化の改革

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先ごろ、銀行業界におけるデジタルテクノロジーの導入・実用化の進捗状況を評価した「銀行の効率比の検証:デジタル技術導入にも関わらず多くの要改善点を残す(英文)」という最新の調査結果が、技術コンサルティング企業のウエスト・モンロー・パートナーズ社から発表されました。同調査によれば、銀行業界におけるデジタルテクノロジーの導入自体は他業界に比べて先行している一方、効率比50%、つまり1ドルの収益をあげるためにかかる費用が50セントとされる効率性の理想レベルに達するまでの道のりは長いと指摘されています。以下、主要な3つの項目について見ていくことにしましょう。

「効率比」の追求:この項目に関しては、銀行業界の経営層の80%が「ここ1年の業務の効率化や生産性の向上について成功している」としながらも、「目標の効率比を達成できた」と答えたのは34%に過ぎませんでした。ウエスト・モンロー・パートナーズ社の金融サービス分野担当シニアディレクターであるニール・ハートマン氏は、効率比を最も重要な指標の1つに位置づけ、「銀行にとって効率比は、組織の生産性を把握するうえで極めて重要な評価基準であり、さらなる効率化追求の進捗状況を知るのに欠かせない指標でもあり続けている」と述べています

サイロ化された存在:上記のレポートは、金融業界においてテクノロジーの導入は大きく進展している反面、それらのテクノロジーを現実の業務に応用し、内部あるいは対外的な顧客対応の円滑な改善を推進する取り組みに関しては、進捗がはかばかしくないことを明らかにしました。効率化が目標値に満たない主な理由としては、銀行特有の企業文化が挙げられます。この企業文化は、部門のサイロ化を助長するジョブトレーニングの手法や組織の内部構造に関係しており、サイロ化の進行によって、共通のビジョンに基づく部門間の連携が妨げられるのです。

こうした状況を改善するためには、内部的な業務のあり方を変えると同時に、カスタマージャーニーへの理解も深める必要があるといえます。

テクノロジー普及率の大幅な向上:米国を拠点とする中堅銀行の重役150名を対象としたこの調査では、テクノロジーの急速な普及を示すいくつかの結果が得られました。

たとえば回答者の83%が「クラウドコンピューティングやSaaSアプリケーションといったベーシックなテクノロジーツールの採用を進めている」とし、その一番の理由に「効率化の推進」を挙げています。また、77%が何らかの形でAIを導入している中で、特にチャットボットが新たな成長領域となっており、41%が何らかの形でチャットボットを利用中であると回答しています。そして、必要な効率比の達成に役立つと考えられる手段については、61%が組織内で最も採用されている効率化戦略として自動化テクノロジーを、また、94%が効率化に最も効果を上げている手段としてクラウドコンピューティングとSaaSテクノロジーを挙げました。

ただし、このレベルのテクノロジー導入を成功に導くためには、社内慣習のリセットを目的とした内部改革によって下支えする必要があります。逆にいえば、企業文化を見直すことが、デジタル化のメリットを最大化するための早道なのです。

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