5G、AI、ブロックチェーンなどDXテクノロジーにより創り出す未来社会を体感「CEATEC 2019」富士通ブースレポート

メインビジュアル : 5G、AI、ブロックチェーンなどDXテクノロジーにより創り出す未来社会を体感「CEATEC 2019」富士通ブースレポート

2019年10月15日から18日の4日間、千葉の幕張メッセで開催された「CEATEC 2019」。富士通ブースでは「Human Centric Innovation:Driving a Trusted Future」をテーマに、5G、AI、ブロックチェーン、スパコンなどの先進テクノロジーを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)によって創り出される新たな社会・暮らしをご体感いただきました。

「CEATEC 2019」富士通ブースダイジェストムービー

DXによって創り出される新たな時代

富士通は、データやデジタル技術に対する信頼(トラスト)の向上とともに、ビジネスや社会の信頼を支えるためのテクノロジーを追求しています。メインステージでは、DXで実現する豊かな未来社会をミュージカルでお伝えしました。さらに各ブースにて、富士通の最新テクノロジーやユースケースを紹介し、トラステッドな未来社会をご体感いただきました。

「豊かで信頼できる未来社会」を迫力あるミュージカルで紹介

メインステージでは、ある企業の上司と、DXに少し懐疑的な部下たちとの対話を通じ、DXで実際にどんな変革が私たちの社会やビジネスに起こっているのかをミュージカルでお伝えしました。

例えば、スポーツの世界。選手の動きをセンシングして、そのデータをリアルタイムに解析・比較することで、フィードバックや評価することが進められています。工場では自社の特定の空間で使える「ローカル5G」で、コスト削減だけではなく、製造ラインをデジタル空間で再現し生産のシミュレーションが可能になります。

さらに、AI(人工知能)や、スーパーコンピュータ、デジタルアニーラをはじめとする最先端技術を活用することで、あらゆる企業にデジタル革新のチャンスが生まれます。

一方で、複雑化するネットワーク社会においては、データの改ざんやハッキングなどセキュリティ面での問題が増加しています。そこで重要となるのは「信頼」です。より容易に複数のブロックチェーンをつなぎ、信頼できる人や企業だけのネットワークを構築する技術がその「信頼」を支えます。

これらの最先端技術により、「もうすでに新しい時代が始まっている」というメッセージを会場へ語りかけました。

写真 : ミュージカルで「信頼できる未来社会」を紹介

ミュージカルで「信頼できる未来社会」を紹介

DXテクノロジーによって創り出される新たな社会・暮らしを体感

各ブースでは、ミュージカルでも紹介したように、DXの実現を目指し信頼ある未来社会を支える富士通の先進テクノロジーを体感いただきました。

「CEATEC AWARD 2019」総務大臣賞受賞、「3Dセンシング/AI自動採点支援システム」

富士通は、「スポーツは生活に溶け込み、全ての人の日常になる」をコンセプトに「スポーツ×ICT」を推進しています。その取り組みを評価いただき、今回の「CEATEC AWARD 2019」において、「3Dセンシング/AI自動採点支援システム」が総務大臣賞を受賞しました。この賞は、社会と経済活動の効率化や高付加価値化に貢献する情報通信ネットワークの利活用やICT技術に対して授与されるものです。

このシステムは、国際体操連盟と2016年から共同開発したものです。3Dレーザーセンサーにより人の動きを正確に測定し、そのデータをもとに関節の位置や曲がり具合を導き出し、技を特定してその難易度とスコアを算出します。

年々難易度が上がる体操競技においては、選手の動きが早くなってきたことで審判の判断が難しくなっていました。このシステムを活用することで、リアルタイムで高精度な採点につなげることができます。

写真 : 選手の動き(右)とアニメーション(左)が連動している

選手の動き(右)とアニメーション(左)が連動している

2019年世界体操競技選手権にて上級審判員向けに正式採用

同システムは、2019年10月にドイツで開催された「第49回世界体操競技選手権大会」において、男女全10種目中の4種目(あん馬、つり輪、男子跳馬、女子跳馬)で、上級審判向けに正式採用されました。複雑なアルゴリズムを必要とするため、最新のAI技術を使うことがポイントとなっています。

スポーツ業界では、センサーを使って人の動きを捉えるという取り組みはまだ本格化しておらず、先進的な取り組みでもあります。富士通では今後、フィギュアスケートなどの他競技での適用も視野に入れています。

なわとびセンシングで運動能力を可視化

スポーツブースでは、「なわとびセンシング」の体験コーナーを開設。実際にお客様にIoTセンサーを装着して30秒間なわとびを跳んでもらい、運動能力を測定していただきました。

なわとびセンシングは、腰にIoTセンサーを装着して音楽に合わせてなわとびをすることで、運動能力を測定できます。測定データは、富士通独自のアルゴリズムで分析・数値化、結果を画面に表示します。跳べた回数だけでなくリズム感やバランスなどの様々な要素から運動能力を分析します。

写真 : 腰に装着するモーションセンサー

腰に装着するモーションセンサー

写真 : うまく飛べると「Excellent」と表示

うまく飛べると「Excellent」と表示

回数やリズム、バランスなどの指標で年代別の平均評価と比較もできます。従来のなわとびでは回数で評価しますが、このシステムでは運動神経系の動作も数値化して評価することが可能です。

小学校の体育の授業などから始まった取り組みですが、リハビリテーションの効果測定にも活用できます。今後、フィットネスジムで運動コンテンツの1つとしてすそ野を広げたり、健康経営を目指す常設測定機器として貢献したりすることを目指しています。

「ローカル5G×ものづくり」で現場を革新

通信事業者以外の企業や自治体が自営で5Gを活用できる「ローカル5G」。自分たちで5Gシステムを運用できるプライベートネットワークとして、ものづくりや医療、プラントといった作業現場など、様々な場所で「ローカル5G」の導入が見込まれています。

写真 : ローカル5G×ものづくりブースの様子

ローカル5G×ものづくりブースの様子

ものづくり×ローカル5G

ブースではさらに、企業/自治体で利用可能な「プライベートLTE」として、コンセントを指すだけで構内LTE通話が利用できる可搬型sXGPシステム「Portable sXGP system」と屋外向けsXGP基地局「sXGP base station outdoor use」(防水タイプ)の展示もありました。自営ネットワークでの利用シーンを想定しており、例えば災害時での活用も期待されています。

写真 : 企業/自治体で利用可能な「プライベートLTE」

企業/自治体で利用可能な「プライベートLTE」

体験!VRで製品の組み立て・保守の作業性を検証

ものづくりの業界で、様々な領域で活用が進む「VR(仮想現実)」技術。活用事例として、デジタルプロセス社が開発している「DIPRO Xphere(ディプロクロスフィア)」を参考出展しました。

DIPRO Xphereは、VRヘッドマウントディスプレイと連携し、製品の組み立てや保守の作業性検討を支援するシステムです。部品構成・工程などの付帯情報を取り込み、人が関わる作業性の検討をVR空間で実機と同じ感覚で検証することができます。

会場では、実際にVRヘッドマウントディスプレイをお客様に装着していただき、実際のサイズ(リアルスケール)のVR空間の中で実機と同じ感覚で、車の部品の取り付けなどの作業を体感いただきました。

写真 : 実際にVR環境での検証作業を体験

実際にVR環境での検証作業を体験

他に、製造業の競争力強化を支援するサービス、および設計から製造、保守まであらゆる情報がつながる、ものづくりデジタルプレイス「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA」を紹介。製造業のDXを支えるサービス基盤として注目されていました。

JCBとの実証実験も進む、セキュアな企業間ID連携を支えるデジタルアイデンティティー基盤

デジタル社会で安心・安全で便利な取引を実現するには「信頼」が必要です。会場では、富士通研究所が開発した、様々な取引相手の信用を安全かつ相互に確認できる「IDYX(IDentitY eXchange)」技術を紹介しました。

写真 : 住所変更に伴う個人データの更新を一括更新して、信用担保や最新化を実現する例をデモで紹介

住所変更に伴う個人データの更新を一括更新して、信用担保や最新化を実現する例をデモで紹介

IDYXは、オンラインの取引相手の信用度合いを判断可能にする「アイデンティティー流通技術」です。富士通グループ独自のブロックチェーンを活用することで、個人データの信用を評価・分析し、企業の活動同意や信用ポリシーに応じて個人データの交換をコントロールします。

個人データの信用性評価では、ブロックチェーン上の信用関係から個人データの信用性を把握します。信用関係をグラフ構造で共有し、即時に抽出・分析が可能な「関係性グラフ共有」技術と、企業が持つ個人データの信用性を測る、改ざん不能な独自指標を設定する「信用性指標」技術を用いています。

個人データ交換のコントロールでは、データの信用性やポリシー制約の下、個人データ連携手順を最適化する「データ連携スケジューリング」技術、個人データの企業間の送受を個人の指示でコントロールする「ID情報ルーティング」技術などを活用しています。

富士通と富士通研究所は、JCBと共同で2019年10月からPoC(概念実証)を開始し、認証や与信ビジネスの可能性を検討しています。今後はIDYXの公共サービス展開として企業間のユーザー情報連携によるスマートシティ実践を計画。「VirtualDX」への2019年度中の実装を予定しています。

デジタル時代のトラストなデータ流通

ブロックチェーン同士を簡単・安全につなげるセキュリティ技術

暗号資産取引やトークン流通、デジタル決済といった新たなエコシステムを活用したビジネスが次々に創出される一方で、エンドユーザーの利便性や取引の安全性の確保に加え、他社との連携を含むエコシステムの拡大がビジネス成功に向けた課題となっています。

ブースでは、異なる仮想通貨の交換や決済を簡単・安全に実行できるセキュリティ技術として「コネクションチェーン」を展示しています。独自のスマートコントラクト技術を採用して、複数のブロックチェーンでも適用できる点が特徴です。

写真 : QRコード決済を模したシステムをデモ展示。右がエンドユーザー、左がPOSのバーコードリーダの画面

QRコード決済を模したシステムをデモ展示。右がエンドユーザー、左がPOSのバーコードリーダの画面

隠れた仮説を見つけ出す新たなAI技術「Wide Learning™」

高精度の判断と透明性の両立を実現する新しい説明可能なAI「Wide Learning™」技術を紹介しています。

写真 : AIへの期待は予測だけにはとどまらず、具体的な「アクション」の提示へと広がっている

AIへの期待は予測だけにはとどまらず、具体的な「アクション」の提示へと広がっている

AIが身近になるほど、AIが導き出した答えにおける「根拠」を説明することが求められています。「Wide Learning™」は、すべての組み合わせを網羅して特徴を見つける技術です。正解が少ないデータでも高精度に学習でき、専門家がこれまで気づかなかったような知識を発見して最適なアクションを提示できるなど、予測だけではなく、人による意思決定までを支援することができるのが特徴です。

社会やビジネスに隠れた仮説を見つけ出すAI「Wide Learning™」

創薬・化学、製造・物流と活躍の範囲を広げている「デジタルアニーラ」

2018年5月から提供を開始した「デジタルアニーラ」。量子現象に着想を得た、従来のコンピュータでは解くことが難しい“組合せ最適化問題”を高速に解くことが可能な新しい技術を展示しています。

写真 : Digital Annealer 製造・物流分野、モビリティ分野、創薬・化学分野の事例を中心に紹介

Digital Annealer 製造・物流分野、モビリティ分野、創薬・化学分野の事例を中心に紹介

2019年9月、中分子創薬において活躍しているペプチドリーム社と共同で開始している、創薬プロセスにおける候補化合物探索の高効率化と高速化を目指す取り組みをご紹介。この技術を活用することで、従来は半年かかっていた候補化合物の絞り込みを数日に短縮できると期待されています。2020年春を目途に研究成果を発表していく予定です。

ブースでは、他にも製造・物流分野やモビリティ分野にて実用レベルで活用されている取り組みを紹介しました

ビジネス、社会の課題解決に実力を発揮するデジタルアニーラ

社会問題の解決に貢献するスパコン「富岳」

2019年8月末に運用を停止したスーパーコンピュータ「京」。その後継機として、2021年の共用開始に向けて開発された「富岳」をご紹介しています。富岳では京と比較して100倍のアプリケーションの実効性能を目指しています。ブースでは、その性能をつかさどる富岳のプロセッサーを展示しています。

写真 : 富岳のCPUメモリユニット(左)とCPU(右)。システムの規模が大きくなるため、多くのスーパーコンピュータでは「水冷方式」を採用

富岳のCPUメモリユニット(左)とCPU(右)。システムの規模が大きくなるため、多くのスーパーコンピュータでは「水冷方式」を採用

最新の高性能サーバ向けの命令セット「Arm」を採用し、性能部分は富士通が独自設計しています。また、富岳の開発を通じて培った技術を生かして、商用スーパーコンピュータの製品化を計画。「PRIMEHPC FX100」の後継機として2019年度下期にグローバルに販売を開始する予定です。

社会課題の解決に貢献するスーパーコンピュータ「富岳」

テクノロジーを通じて人が安心して暮らせる未来をお客様と共創

富士通では、現在の複雑化した世界の中でお客様が自信を持ってDXを推進し、世界中の人々が安心してテクノロジーの恩恵を受けるために必要なものは「TRUST」だと考えています。
また、テクノロジーと信頼によって「DXを支えるパートナーでありたい」と思っています。そのため長年培ってきた経験やノウハウを基に、DXを進める企業として進化することを目指します。そして、今後ともテクノロジーを通じて、人が安心して暮らせる未来をお客様と共創していきます。