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成長を続ける企業向けIoT。各業界での今後の応用は?

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投資ファンド企業、ザ・バンテッジ・グループのCEOデジタルトランスフォーメーション(DX)分野の専門家でもあるライル・ハウザー氏の見立てによると、IoT分野は「間違いなく、まだ黎明期」にあります。

しかし、それと同時に、急速な成長を遂げていることも事実です。

SiriAlexaに質問することをどうしてもやめられないように、相互接続されたデバイスは私たちの日常生活にすっかり溶け込んでいます。そして、この種のガジェットはワークプレースにも同様に浸透し始めており、その勢いはとどまるところを知りません。

「今後数年間でIoTは、DLTとも略される分散型台帳技術のブロックチェーンと並んで爆発的に普及し、実際にある種のDLT関連プロジェクトとも連動していくことになるでしょう」と、ハウザー氏はいいます。南フロリダを拠点とする同氏のザ・バンテッジ・グループは、複数の投資家から集めた資金で企業の未公開株を取得し、その経営に深く関与したうえで企業価値を高めて売却するプライベート・エクイティ・ファンド事業を行うと共に、専門的なビジネスコンサルティングも手掛ける会社です。

1998年の創業以来、ハウザー氏が採ってきた投資戦略は、成長初期の企業、特に世界に著しく良い影響を与えることを目指す企業に向けて、資本を提供したり、資本形成に関するアドバイスを与えたりするというものでした。

これまでのキャリアにおいて幅広い投資を行ってきたハウザー氏は、現在、DLTIoTはもとより、エコロジカルな素材として注目されるヘンプ生地の元になる植物、カンナビスにも注目しています。

「つまるところ当社が常に考えているのは、各ビジネス領域に破壊的変化をもたらすさまざまなチャンスに関わりたいということです」と、同氏は述べています。

ハウザー氏によると、DLTは「おそらく最終的にインターネットよりも重要」となる技術であり、IoTもそれに引けを取らない存在ということです。

ここで改めて、あらゆる場所で目にするようになったスマートスピーカーについて考えてみてください。世界最大の会計事務所であるデロイトグローバルの予測によると、スマートスピーカは2019年内におよそ70億ドル相当の販売額と63%の成長率を達成し、引き続き市場で最も人気の高いIoT関連ガジェットの地位にとどまるとされています。この成長の大部分は、米国以外の国々、特に中国で見られることになるでしょう。というのも、このデバイスのターゲットは2017年の終わりまで英語圏の国々でしたが、今はこれからの普及が見込まれる、それ以外の言語圏も含まれるようになったためです。

実際にはかなり前から、スマートスピーカはビジネス界にも進出してきています。Alexa フォー・ビジネスはその一例で、ボイスアプリを意味するスキルの種類は1万種類を超え、会議の設定からメッセージの受け取りまで、あらゆる作業をこなせるようになりました。

ほかにも、IoT関連デバイスには、ビデオ会議をセッティングできるロボットや、スマート・サーモスタットスマート照明といったオフィス環境の改善に役立つもの、あるいは、特にストレスレベルを中心に従業員の健康状態を把握するためのウェアラブルデバイスなどがあります。こうした状況の中で、世界的な調査・コンサルティング会社であるガートナーは、2018年に世界で使用されていた70億台の相互接続ガジェットのうち、ビジネス用途のものが40億台を超えていたと試算しており、2020年までにビジネスにおける採用数が70億台を上回ると予想しました。また同社によれば、その時点までに企業向けと一般消費者向けとを合わせて130億台近くのデバイスが出回ることになり、さらに、その数字は2025年には215億台まで達すると予測されています。

そう考えれば、2017年当時のフォーブス誌のレポートで、すでに3,000社近くの米国企業IoTデバイスの開発を進めていたことも驚くにはあたらないでしょう。その時点の総従業員数が約342,000人に達していたそれらの企業は、およそ1,250億ドルの資金を調達し、6,130億ドル相当の企業価値を生み出しました。その中には、10億ドル規模のスタートアップも95社含まれていたことが明らかとなっています。

すでに、IoT技術は数多くの業界に進出していますが、中でも影響が顕著なのは、金融サービスと医療、そして製造業です。最後に、その概要をまとめてみましたので、参考にしてください。

  • 金融サービス:この領域で最も多く見られるユースケースは、「セキュリティ」と「スマートフォンの窓口化」です。カスタマサービスや、取り引きの自動化と透明性の確立もそこに含まれており、それら3つの領域が重なり合うことも少なくありません。
  • 医療分野:米国では医療従事者の数が不足しており、この状況はベビーブーム世代の高齢化が進むことから一層深刻化するものと予想されます。2025年までに、さらに230万人程度の医療従事者が必要になると見られる中、多くの企業が既存スタッフの負荷を軽減する手段としてIoTを導入しつつあります。
  • 製造業:特筆すべきは、RFID規格の無線タグの利用です。RFIDタグはサプライチェーンの効率化に役立ち、中でも需要の変化の激しい製品の在庫管理に貢献しています。
  • エネルギー業界:IoTいち早く導入した業界の1つであり、引き続きリモートセンサーを利用してソーラーパネルの監視と保守などが行われています。
  • 農業:世界の人口は増加し続けており、2050年までには、農業による食料生産高を2006年と比べ70%増加させる必要があると見られています。そのため農業従事者も、事業の運営を改善する手段としてIoTに目を向けるようになりました。一例として、土地の利用状況を管理するためのドローンの使用が挙げられます。
  • 運輸業界:急成長するスマートカーの分野や、交通データの追跡システムなど、IoTさまざまなユースケースが見られます。運輸会社もこの競争に加わり、路上の車両だけでなく、鉄道や航空輸送機の監視にもIoTを応用しています。
  • 小売業:オンラインショッピングが人気を得るにつれ、実店舗でのビジネスは急速に隅へと追いやられています。しかし、IoTが人件費の削減や顧客体験の向上、在庫ミスの軽減を可能とすることで、この傾向に歯止めをかけることに役立っています。

企業向けIoTは、すでに応用されている領域に加えて、私たちが気づき始めたばかりのさまざまな分野に進出を続け、現在の黎明期を脱した後も成長していくことになるでしょう。

 

この記事は TechBullion 向けにサード・ウルラが執筆し、 NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。