私たちの働き方はどう変わっていくのか?6つの観点から見た後の展望

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「私たちの働き方は、今後どのように変わるのか?」――これは誰もが知りたいと思っていることでしょう。労働力に対するニーズが絶え間なく変化し、人事関連のテクノロジーが進む中で、この疑問に答えるのは容易ではありません。また、最近行われた従業員エンゲージメント調査によると、回答者のうちで「会社が従業員エンゲージメントに重きを置いている」と答えたのはわずか28%にとどまり、20%が「従業員エンゲージメントの定期的な測定を行っていない」と答えています。この状況には、かなり改善の余地がありそうです。私たちの働き方について今後の展望をざっと見ていきましょう。

1. 働く場所の重要性が薄れる

「人材開放型経済」とも訳される「オープン・タレント・エコノミー」において、モノではなく情報を扱う業務が増えていることから、今後は労働時間やスケジュールの多様化が進むものと思われます。そのように柔軟性が高まることで、ワークライフバランスの向上が促されますが、これは職場で増え続けているミレニアル世代にとりわけ重視されるポイントです。その意味で、今後のワークスタイルの展望を探るには、スイスにおける働き方の実例を参考にするとよいでしょう。世界最大の会計事務所であるデロイトのレポートによると、現在、スイスでは4人に1人が独立したフリーランサーとして働いているといいます。実際には、残りの人口の3分の1もフリーランスで働きたいと考えているため、この就業形態はスイス国民にとって魅力的な選択肢のようです。

さらに、スイスの全人口の28%は、週の何日かを通勤せずに在宅で働いています。世論調査会社のギャラップが調べたところでは、「従業員が週の労働時間の68割、つまり週に34日を会社以外の場所で働くと、エンゲージメントの向上幅が最大になる」とのことです。リモートワークを導入することのメリットは多々考えられますが、コストの節減もその1つでしょう。たとえば、一般的な企業がリモートワークを導入した場合、従業員1人あたり年間11,000ドル相当の節減になるとの試算もあります。出社しなくても従業員の生産性とエンゲージメントが低下しないのであれば、今後も働く場所の重要性は、ますます薄れていくことになりそうです。

2. 組織構造のフラット化が進む

テクノロジーによってもたらされる変化は、人々の働く場所を変えるだけにとどまらず、企業の基本構造の根本的変化にもつながるだろうと専門家は見ています。従来の「縦方向」の階層構造ではなく、新たな「横方向」の構造が生まれるというのです。

これについて、企業の組織構造の変化について論じた『ザ・コーポレート・ラティス』の共著者であるキャシー・ベンコ氏は、従業員の多様化やデジタル技術を介したつながりの相乗効果により、会社組織はフラット化に向かっていると説明しています。組織が経営上不要な階層を取り除く一方で、アイデアや権限の流れは横方向に広がっているのです。と同時に、重役専門のリクルートサービスを手がけるページ・エグゼクティブによる記事では、ミレニアル世代が階層的な企業を嫌って、より透明性の高い柔軟な働き方を好むようになっているため、フラットな組織構造のほうがイノベーションや迅速な開発に向くと指摘されています。

3. AIとチャットボットが重要な役割を果たす

職場でのAIの導入に伴う従業員の置き換えによって一大変革がもたらされるでしょう。世界経済についてのインサイトを提供しているマッキンゼー・グローバル・インスティテュートの試算によると、AIによるグローバル経済への影響は2025年までに713兆ドル規模に達するとのことです。これは注目すべき巨大市場であり、人事部門がAIの恩恵を利用しない手はありません。

その手始めとして、チャットボットを利用してみてはどうでしょうか。すでに今日、チャットボットは色々な業務に採り入れられています。AI関連のテクノロジーの中では「新人」といえるチャットボットですが、カスタマーサービスから従業員エンゲージメントまで、ビジネスで求められる様々な機能に、声でやり取りするという直感的なインターフェースを提供できるからです。現に、2020年までに、企業の80%が顧客とのやりとりにチャットボットやAIテクノロジーを採り入れるものと見込まれています。

また、従業員のエンゲージメントを高めるソフトウェアであるアチーバーズ・リッスン内の「アリー」のようなチャットボットが、職場で利用される機会も増えていくことでしょう。アリーなどのチャットボットを用いれば、従業員エンゲージメントに関する退屈な調査も、活気あふれた対話ベースのものへと進化します。それに伴って、エンゲージメント担当のマネージャは、リアルなフィードバックを管理する立場へと役割を変えるでしょう。

4. 従業員間のネットワークが従業員のスキルと同等の価値を持つ

新しい職場構造では、広範なパーソナルネットワークを持つ従業員が、組織にとって極めて有益な存在と見なされるようになると考えられます。業界内で広い人脈を形成する能力が、その従業員によって職場にもたらされる技術的なスキルや知識と同等の重要性を持つためです。

企業アナリストにして未来学者でもあるジェイコブ・モーガン氏は、「過去から未来への変化には、ボーダーレスなプラットフォームへの移行も含まれる」と説明し、「デジタル革新は間違いなくコラボレーションの拡大にまで及び……その実現を促進するのがボーダーレスなプラットフォームである」とも述べています。優れた従業員のネットワークを確保できれば、求人活動における効果も期待されるわけです。今でも、実に人材採用担当者の73%がソーシャルメディアを通じて採用を成功させていることを考えれば、それも納得できるでしょう。

5. エンゲージメントを保つ上でレコグニションが引き続き重要

企業では従業員のレコグニション、すなわち「功績の評価」がエンゲージメントに最も大きな影響をもたらすと考えられており、現在、企業の60%がソーシャル・レコグニション・テクノロジーへの投資を増やす予定である、ということをご存じでしょうか? 今後も、従業員に対するレコグニションの重要性はこれまでと変わらず、むしろ、年々高まる一方となりそうです。

職場や仕事環境の最新事情を調査した「ワークプレース・トレンド・レポート」では、レコグニションによって売上が50%増加し、利益が27%向上すると共に、従業員の定着率も21%高まることが報告されています。そうであるなら、エンゲージメントのソフトウェアに対してソーシャル機能やレポート機能を新たに加えることで、レコグニション制度の強化と組織基盤の進化が一層進むはずです。

通販会社のショップ・ダイレクトや、リアルタイムの健康情報ネットワークサービスであるアベイリティをはじめ、多くの企業がすでにレコグニション文化を取り入れ、エンゲージメントの向上を図っています。特にショップ・ダイレクトでは、「シャイン」と呼ばれる従業員レコグニション制度とその関連活動によって、従業員エンゲージメントが17%向上したという調査結果が得られました。

6. 新たな形式の人事テクノロジーが導入される

人事関連のテクノロジーの進化に伴い、今後は、人事部門の役割も絶えず見直されていくことになるでしょう。求人や面接から新人研修、さらに人材育成まで、従来の人事機能の全範囲にわたって、ニュータイプのテクノロジーが導入されると予想されます。

従業員の福利を向上させ、定着率を上げるための、新たなテクノロジーの開発はすでに行われており、そこにはレコグニション制度や報奨制度、従業員の意見の収集ツールなどの技術的進歩が含まれています。また、新しい従業員フィードバックのプラットフォームを使うことによって、人事部門は従業員やマネージャーが、エンゲージメントにポジティブな影響を及ぼすような行動や、個人別の細かな対応をとれるようにもなっているのです。

既存の方法を再定義し、企業の仕組みを変えていく、こうしたニュータイプの人事関連テクノロジーからは、しばらく目が離せない状況が続いていくことでしょう。

なお、今後の働き方とAIに関する詳細については、アチーバーズのレポート「ワークプレースにおけるAI:仕事の人間味を損なわず、増やすために」(英語。協力:ライトハウス・リサーチ&アドバイザリー)をご確認ください。

 

この記事は元々The Engage Blog向けにブロガン・タイラーが執筆し、Business2Community向けに転載され、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。