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満員電車の混雑緩和に一役、東京都交通局がポイントサービスで時差出勤を促進

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人口が集中する大都市圏においては、通勤・通学時の混雑が大きな問題です。日々、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車に揺られることで、多くの人がストレスを感じ、生産性や仕事へのモチベーション低下も懸念されます。そこで東京都では、通勤時間をずらすことによって満員電車の混雑緩和を促進する「時差Biz」を実施。富士通もICTでその取り組みをサポートしています。

混雑率180%以上が11路線も、東京の混雑は想像以上?

日本の首都である東京都では、通勤・通学の交通手段の要となる「都市鉄道」の混雑が常に課題です。国土交通省が2018年7月に発表した「都市鉄道の混雑率調査」によると、東京圏では「混雑率180%」を超えている路線が11路線もありました。

混雑率とは、最も混み合う時間帯1時間に、実際に輸送した人員を各区間の輸送力で割って算出したもの。座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる「定員乗車」を100%とすると、混雑率180%とは「折りたたむなど無理をすれば新聞を読める程度」の混雑状況です。しかし、これらの数値は「ピークの1時間」における平均値。1時間の中でも最も混むタイミングで電車に乗り合わせた人なら、実際の混み具合をこれ以上の200%、250%ぐらいに感じることもあるでしょう。

ちなみに、東京圏の平均混雑率は163%。大阪圏の125%、名古屋圏の131%と比べて、いかに東京が混んでいるかがわかります。

図 : 混雑率の目安 出典:国土交通省「三大都市圏における主要区間の平均混雑率・輸送力・輸送人員の推移」

混雑率の目安
出典:国土交通省「三大都市圏における主要区間の平均混雑率・輸送力・輸送人員の推移」

働き方改革で生産性向上へ、東京都が取り組む「時差Biz」

東京都は、東京2020大会期間中の交通混雑緩和も見据え、 交通量の抑制や分散に向けた交通需要マネジメント(TDM)やテレワーク、時差Bizなどの取組を「スムーズビズ」として一体的に推進しています。大会の1年前には、交通混雑緩和に向けたさまざまな取組を総合的にテストする「スムーズビズ推進期間」を設け、テレワーク、時差出勤、計画的な休暇の取得、物流の工夫などを積極的に実施して、大会本番に向けた準備が進められています。

その中の取り組み「時差Biz」とは、通勤ラッシュ回避のために通勤時間をずらす働き方改革の一つで、2017年7月から実施されているものです。満員電車を回避することは、ストレスや疲労の軽減、働く意欲や生産性の向上など多くのメリットが期待されます。時差Bizの参加に資格や決まりはなく、みんなで一斉に取り組むことにより大きな効果が見込めます。

時差Biz参加企業は、2019年8月時点で1200社以上となり、時差出勤やフレックスタイム制、テレワーク制など各種施策に取り組む動きが広まっています。

時差通勤をするとポイントが貯まるキャンペーンを展開

東京都交通局では、「スムーズビズ推進期間」と連携するかたちで、2019年7月22日から「都営交通2019夏の時差Bizキャンペーン」を実施。このキャンペーンでは、ラッシュ時間帯を避けて乗車した利用者にポイントを付与する「オフピークポイントサービス」を展開し、通勤ラッシュの回避を目指しています。

オフピークポイントサービスは、「PASMO(注1)」と連動した都営交通ポイントサービス「ToKoPo」を活用するものです。キャンペーン期間中の平日、始発から7時30分、または9時30分から10時30分の間に、都営地下鉄各駅または日暮里・舎人ライナー各駅の自動改札機を出場した際に、通常の乗車ポイントとは別にオフピークポイントをToKoPo会員に付与し、さらに獲得ポイント数に応じて抽選で豪華景品が当たるサービスです。(キャンペーン期間:2019年7月22日~9月6日の平日)

(注1)「PASMO」は株式会社パスモの登録商標です。

写真 :「PASMO」と連動した都営交通ポイントサービス「ToKoPo」を活用することでオフピークポイントが貯まる。

写真 :「PASMO」と連動した都営交通ポイントサービス「ToKoPo」を活用することでオフピークポイントが貯まる。

「PASMO」と連動した都営交通ポイントサービス「ToKoPo」を活用することでオフピークポイントが貯まる。

改札の入出場データを高速集計しポイントサービス活用システムを構築

オフピークポイントサービスの開始にあたり、東京都交通局では改札機の入出場データを用いた新たなポイント計算業務システムを構築。富士通はこのシステム構築を担当しました。

ポイント計算業務システムは、ToKoPoに登録しているPASMO利用者の入出場データを収集し、会員情報とポイント付与条件に照らし合わせて会員ごとのポイントを計算して、ToKoPoに付与するシステムです。

図 : PASMO利用者の入出場データを収集し、ポイントを計算してToKoPoに付与するシステム

PASMO利用者の入出場データを収集し、ポイントを計算してToKoPoに付与するシステム

膨大な改札機の入出場データを処理するため、富士通のデータ加工ソフトウェア「FUJITSU Software Interstage Data Effector(インターステージ データ エフェクター)」(以下、Interstage Data Effector)により、PASMOを用いた改札機の入出場データの膨大なログ収集からポイント付与までの一連の高速集計を実現しています。

このシステムを導入することで、自動改札機の入出場データの収集からデータ抽出、会員情報とポイント付与条件との照合、ポイント付与までの一連の集計の高速化が図れました。これにより、システムを管理していた職員の負荷軽減と、都営交通の利用者に対する新たなポイント還元を実現しています。

膨大なデータの高速加工技術で、自治体や金融など幅広い分野をサポート

大量データの中から目的の情報を素早く取り出し、状況の変化に応じて迅速に業務に反映することは、あらゆる事業を展開する上で非常に重要なポイントです。Interstage Data Effectorは、CSVやXMLデータを高速・簡単に仕分けし、データを結合・集計するデータ加工ツールで、高速パターンマッチング技術やハイトラフィック技術により、データ加工条件が複雑な場合でも、高速な処理を実現します。また、業務データは、業務の要件に応じて条件をファイル化し、コマンドにパラメタを指定して実行するだけで簡単に加工できるため、構造の異なるデータでもそのまま処理可能。業務システムから抜き出したCSV/XML形式のデータをそのまま使えるという特徴もあります。

Interstage Data Effectorは、石川県や島根県などの自治体、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や国際協力機構などの団体、金融業や製造業など幅広い分野での採用実績を持っています。

今後も、東京都交通局は、収集した改札の入出場データを活用した新たな施策検討を推進していく予定です。富士通も、東京都交通局をはじめ、自治体や政府と足並みを揃えながら、人々がより暮らしやすい社会の実現をICTでサポートしていきます。