進む企業のDXと従業員の意識改革

知的専門家グループのKPMGが実施した調査によると、従業員は企業内におけるデジタル化の取り組みに好意的なだけでなく、デジタル化の受け入れに向けたマインドセットに移行しつつあることがわかりました。このような意識の変化が生まれた理由としては、デジタルトランスフォーメーション(DX)のもたらすメリットが実現し始めていることが挙げられています。

収集されたデータからは、調査対象となった従業員1,000人のうち71%が、ビジネスの違いを問わずDXが主要な優先事項となるべき、と答えていることがわかりました。また、分野別データを見ると、デジタル技術によるビジネス革新は、金融サービス分野の従業員の間で最も好意的に受け入れられており、従業員の91%がデジタルツール統合の優先化は必須、と考えています。さらに、金融サービスに携わる従業員の89%は、デジタル化の取り組みの受け入れが職場の効率化につながる重要な道筋である、と認識していることが明らかとなりました。

ただし、すべての分野でこのように高い数字が出ているわけではありません。たとえば製造分野においては、デジタル技術を効率化につながる手段として捉えている従業員の割合が62%にとどまっています。小売分野でも反応は思わしくなく、DXの推進を肯定的に捉えている従業員の割合は64%となりました。

また、地域差も見られます。ロンドンが世界の中心的な金融ハブであることを考えれば驚くまでもないかもしれませんが、この都市では従業員の78%が、デジタル技術の採用には大きな意義がある、と答えています。一方、もっと経済的な課題の多い地域に目を移すと、デジタル改革に対する好感度は低く、たとえばイングランド北部では、革新的テクノロジーや業務改革をプラスの変化につながる手段として捉える従業員の割合が、67%にとどまりました。

これらの数字を向上させるうえでの問題点は、テクノロジーそれ自体よりも仕事の慣習にあるといえるかもしれません。以前に行われたコンサルタント企業のキャップジェミニによる調査では、デジタル組織への移行における最大の障害は企業文化である、と考える従業員の割合が62%に上ることが明らかとなりました。

また、同じく英国を対象として従業員数50人以上の企業500社から聞き取り調査を行った、ITサービス管理アプリを手がけるチャーウェル・ソフトウェアの調査によると、回答者の30%にあたる従業員は、そもそも単純にDXが何を意味するかを知らないようです。

今回の調査について、KPMGの最高デジタル責任者であるリサ・ヘネガン氏は、テクノロジー系メディアのITポータルに対し、「企業は、効率、生産性、成果の向上に役立つデジタルテクノロジーの導入について素晴らしい結果を出しています」とコメントし、次のように続けました。「DXが効率に何の影響も与えないと考える従業員の数が10人に1人もいなかったことは、有望な結果といえます。この調査により、圧倒的多数の企業が、デジタルのシステムの導入と促進をうまく進めていることがわかったといえるでしょう。」

 

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