ブロックチェーンは広告と消費者を近づける

論説記事

2019422 | 執筆者:ブラッドリー・クーパー

 

2 reasons to pay attention to blockchain

 

(画像はIstock.comより)

テクノロジーに関するニュースに触れている方なら、「ビットコイン」や「暗号通貨」、「ブロックチェーン」といった言葉を耳にしたことがあるはずです。しかし、ブロックチェーン技術については、なるほどと思えるような的を射た定義にはなかなかお目にかかれません。報道機関によっては暗号関連の用語を誤用している場合があり、事態をさらにややこしくしています。

とはいえブロックチェーン技術は、プライバシー、顧客分析、ID管理、サプライチェーン、DOOHことデジタル屋外広告枠の購入のほか、数多くの業界に多大なインパクトを与える可能性を秘めています。そのため、たとえ複雑で難解だとしても、ブロックチェーン技術の動向から目を離さないようにするだけの十分な理由がいくつもあり、特に「デジタルサイネージ」の業界関係者にとって、大いに注目すべき技術といえるでしょう。ブロックチェーンは、広告とコンテンツのあり方を変えることが期待されているのです。

しかし、その詳しい説明の前に、まずはブロックチェーンの定義を軽く振り返っておきましょう。

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンとは、基本的に、すべてのトランザクションについて不変的な記録を残すことができる電子的な分散型台帳です。特に、ビットコインをはじめとする仮想通貨の取引を記録する上で有効な技術であり、たとえば、利用者が2つの異なる場所で同時にビットコインを使おうとする「二重支払い」などの決済事故を防ぐことができます。

また他の業界でも、ブロックチェーンは、次に挙げるようなさまざまな問題の解決に役立つとの認識が高まってきました。

  • サプライチェーンにおけるアイテムの追跡とタグ付け
  • 金融関連の契約処理の自動化
  • ユーザーの身元確認
  • 大規模な銀行取引の自動化

そして、冒頭で触れたように、この技術は広告の改革に貢献することも期待されているのです。

広告におけるインパクト

この分野におけるブロックチェーンのメリットは、広告の印象度や、実際にどの程度効果を上げられたのかを確認できることにあります。

たとえば、ビジュアル・オン・デマンド・エクスペリエンス・システムの頭文字を社名に持つVODXS社は、水栓用のデジタルサイネージによって、ホテルやカジノ、ショッピングセンターなどのトイレで手を洗う顧客に広告を配信するソリューションを開発しました。このソリューションでは、ブロックチェーンが、顧客への広告効果をバックエンドで記録し、キャンペーンの効果を直接的なエビデンスによって示すことができます。

この他にも、ブロックチェーンが広告分野にもたらすと考えられるメリットは、次のようなものです。

  • 広告を利用した二重支払い詐欺の防止
  • ブロックチェーンベースのスマートコントラクトによる広告契約の履行徹底
  • 中央集権的ではない自由市場における安全かつ確実なDOOH広告枠の売買

さらにブロックチェーンは、デジタルサイネージのコンテンツ制作においても影響を及ぼすことが期待されています。

コンテンツ制作におけるインパクト

ブロックチェーンは、デジタルサイネージのエンドユーザーに対する広告コンテンツのインタラクティブ性の向上や制作プロセスの「民主化」につながる可能性があります。

コンテンツのインタラクティブ性の向上という面では、ブロックチェーンが、ユーザーとサイネージとの関係を、より一層深める役割をするようになるでしょう。

この点について、オープン・メディア社のインバウンドマーケティング担当重役であるロブ・トーマス氏は、デジタル・サイネージ・トゥデイブログ記事の中で次のように述べています。「たとえば、ユーザーがある広告の写真を撮り、それを自分のSNSアカウントでフォロワーに薦めると、お礼として一定額分のデジタル・ストア・クレジット、つまり暗号化されたポイント付与されるサイネージなどが考えられるでしょうブランド側は、ユーザーにクレジットを与えることで、自社の消費者層について具体的かつ極めて有益なデータを得られるため、ターゲティングを絞り込んだ広告制作ができるようになるのです。」

このような企業・消費者間のポイント付与は、まさにブロックチェーンベースのスマート・コントラクトがあってこそ実現できるといえます。このようなスマート・コントラクトでは、ユーザーの特定の行動に対する適切な見返りとして、ストア内で使える「暗号クレジット」を後から確実に提供することが可能だからです。

さらに、ブロックチェーンによってコンテンツ制作のプロセスを大幅に「民主化」できる可能性があります。たとえば、アーティストがデジタルサイネージ専用に制作した作品を公開するための分散型の、つまり中央集権的ではないマーケットプレイスを想像してみてください。

デジタル・アーティストがブロックチェーンに自分の作品を登録すれば、販売ルートを追跡できるので、対価を取り損ねることはなくなります。一方、エンドユーザーは、さまざまなクリエーターのコンテンツを安心して入手することが可能となり、購入の幅が広がります。

ただし、ブロックチェーン技術は市場として依然確立しきっておらず成長が見込める分野が絶えず変化する「ムービングターゲット」と呼ばれる状態にあります。したがって、ブロックチェーン・テック・ニューズのような専門メディアを注視し、常にブロックチェーンのトレンドに関する最新情報をチェックしつつ、この技術に対する洞察を深めていくことが重要です


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ブラッドリー・クーパー

ブラッドリー・クーパーはDigitalSignageToday.comおよびBlockchainTechNews.comのテクノロジー・エディターとして、これまでIT、広告、出版業界に携わってきました。

 

この記事はblockchain tech news向けにブラッドリー・クーパーが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。