2019年第1四半期におけるブロックチェーンのトレンド:サプライチェーン関連が上位に

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2019年も半分近くが過ぎつつある今、北半球ではようやく春から夏へと季節が移ろうとしています。とはいえ、ブロックチェーンをめぐっては季節を問わず、ずっと花も盛りとばかりに、その応用事例が華々しく報じられてきました。ブロックチェーン・テック・ニューズで特に注目を集めたのも、この技術の最新トレンドや課題からレストラン・サプライチェーンにおけるメリットに至るまで、ブロックチェーン関連の幅広い話題を扱った記事でした。

その中の1つである、レストラン・サプライチェーンにおけるメリットに関する記事は、食材が農場から消費者のもとに届くまで、どのような流通経路を通ってきたのかなど、ユーザーが知りたい情報を提供することで、いかにブロックチェーンがレストラン・サプライチェーンを変革しうるかについて紹介したものです。ブロックチェーンを採用することで、レストランは、たとえばロメインレタスによる大腸菌感染などの問題が発生した場合でも、サプライチェーン内で問題の発生源を追跡し、影響を受けた生産物を分離できるようになります。

このほか、ブロックチェーンがまだ普及の初期段階にある理由を考察した記事では、その原因として、絶えず変化するテクノロジー、定評を得た企業の不在、標準の未整備を挙げました。

本稿では、2019年前半のブロックチェーン・テック・ニューズで特に注目を集めた記事のトップ5を振り返り、第5位から順番にご紹介します。

5. ブロックチェーンはいかにしてIDの盗難を防げるのか?

私たちにとってIDはおそらく最も重要な資産であり、しかるべく扱われるべきものです。しかし皮肉にも、そのことが、程度の低い詐欺師から高度なサイバー犯罪組織まで、あらゆるレベルの悪意のある攻撃者がIDを標的として真っ先に狙う理由にもなっています。私たちの金融データや資産、サービスへの日常的なアクセスの大半がそのようなIDと密接に結びついていることから、脅威となる人物がIDを盗み出し悪用しようとするのを防ぐために、私たちが考えつく最高の防御を行う必要があることは当然といえるでしょう。だとしても、具体的にすべきことは何でしょうか?

この記事の筆者は「多岐にわたるIDの盗難やIDによる詐欺を防止する上で、ブロックチェーンがもっと重要な役割を果たすべきだ」と主張します。「分散型台帳」に基づくデジタル記録管理技術であるブロックチェーンでは、中央集権的な管理組織を必要とせず、その利用者と、ネットワークを構成する「ノード」にあたる利用者のコンピューターが、全体としてトランザクションの正当性を検証するため、ID関連の盗難や詐欺をより確実に防げるようになるためです。

4. ブロックチェーンがレストランサプライチェーンを変革へ

ブロックチェーンはどの業界にも何らかの形でメリットをもたらしますが、なかでもレストランサプライチェーンの管理におけるメリットは特筆すべきものです。

ロメインレタスが原因と見られる大腸菌感染のアウトブレイクだけを見ても、顧客への病気感染や訴訟を防ぐために食材を農家から消費者まで追跡する方法がレストランにとって必要であることは、十分にわかるでしょう。ブロックチェーンは、厳格なサプライチェーン管理を可能とし、こうしたニーズへの対応に貢献します。

フードロジック社の実装および戦略的アカウント担当ディレクターであるジュリー・マギル氏は、電子メールによるインタビューで次のように述べました。「ブロックチェーンには、サプライチェーン管理に応用し得る多くのユースケースがあります。その中で最も一般的な応用例はトレーサビリティです。これには、フードサプライチェーン全体の透明性向上に向けた大きな可能性が秘められています。」

3. ブロックチェーンの問題とは?

ブロックチェーン技術には、デジタルネットワークにおける情報の保存・共有方法を変えることができる可能性があります。

各国の中央政府や国際銀行がブロックチェーン・プロジェクトに続々と研究費用を投じ、テクノロジー・コミュニティのほとんどがこの技術を称賛している様子を見る限り、この不変的な分散型台帳技術は、すでに我々を取り巻くデジタル社会で大々的に利用されていても当然と思われるかもしれません。

しかし、実際にはそうではありません。少なくとも今はまだ普及の初期段階です。ブロックチェーンが技術的、あるいは制度や法規的な様々な制約から解放されて実力を発揮するには、まず多くの問題点を洗い出し、対処していく必要があるのです。

第2位. 2019年、ブロックチェーンはどのような動きを見せるのか?

ブロックチェーン技術は常に進歩しているものの、依然として社会インフラのメインストリーム入りを果たそうと苦戦している状況です。各国政府もブロックチェーン技術に対応する規制の策定に四苦八苦しており、このことが、一部企業に導入を尻込みさせる一因ともなっています。

しかし、暗号化分野の専門家の多くが、2019年はID管理やセキュリティをはじめとする分野において、ブロックチェーンが前進し始める年になるとの見解を示していることも確かです。そこでブロックチェーン・テック・ニューズでは、次世代サプライチェーンのための分散IoTネットワークを手がけるアンブロサス社の共同創設者兼CEOであるエンジェル・ベルセティ氏と、スマート・コントラクトのためのプラットフォーム開発を行っているサイフェリアム社のCEOであるスカイ・グオ氏にインタビューを行い、今年のブロックチェーン関連のトレンド予想を伺い、この記事にまとめました。

第1位. 金融サービスにおけるブロックチェーン導入の現状と今後の動向

ブロックチェーンの成熟が進む中、多くの金融機関がこのテクノロジーの実験的導入に踏み切ろうとしています。たとえばバンク・オブ・アメリカでは、50件を超えるブロックチェーン関連特許を手中に収めました。とはいえ、金融機関の大半は、特にセキュリティと拡張性に関する懸念から、まだ大きな動きを見せていないのが現状です。

そこで、この点について識者の考えを伺うべく、フランスの大手電機企業グループのタレスとB2Bメディア企業であるネットワールド・メディア・グループの後援で開催された「金融サービス・データセキュリティ・サミット」では、ブロックチェーン・テック・ニューズのエディターであるブラッドリー・クーパーが、ブロックチェーンとセキュリティをテーマとするパネルディスカッションで司会を務めました。パネリストに迎えたのは、データ・セキュリティのためのソリューション開発を行うタレスeセキュリティ社のペイメント戦略担当ディレクターであるホセ・ディアス氏と、総合ITサービス企業のコグニザント・テクノロジー・ソリューションズ社の情報セキュリティ担当アソシエイト・ディレクターであるスダカル・カマラナサン氏です。

その席上で両氏は、金融機関へのブロックチェーンの導入に時間がかかっている理由、セキュリティ上の懸念事項、そしてブロックチェーンのセキュリティを向上させる方法についてのインサイトを共有しました。

それぞれのリンク先の記事は英語となりますが、個々のテーマに興味のある方は、ぜひそちらも読み進めてみてください。

 

この記事はblockchain tech news向けにブラッドリー・クーパーが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。