ブロックチェーン業界参入を決めたきっかけは?30人のCEOに訊く「ひらめきの瞬間」

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CEOs share what got them into the blockchain industry
Image via Istock.com.

「将来を見据えて点と点を結ぶことなどできません。後で振り返って結ぶことしかできないのです。ですから、点と点が将来、何らかの形でつながると信じるしかありません。直感、運命、人生、宿命など、何でもいいから信じるしかないのです。」-スティーブ・ジョブズ

点と点を結ぶ。それは、まさに今回の調査対象となったCEOたちが当社に語ったことです。私が経営するバイトメディアグループでは30人以上のCEOにインタビューを行い、各社がブロックチェーン技術を検討し、全社を挙げて業界への参入を決めるに当たって、どんな「ひらめきの瞬間」が訪れたのかを尋ねました。

結果は意外なものでした。本記事を読んでいただければ、次なる技術の波を探し求める起業家にとって、インスピレーションの扉を開くには、ときに幾度となくノックする必要があることが、すぐにでも理解できることと思います。

技術知識は役立ちますが必須ではありません

確かに、ブロックチェーン、AI、機械学習といった分野の専門性は非常に高いといえます。しかし、この業界でチャンスを見出すために、必ずしも技術的才能は必要ないのです。

インタビューしたCEOのうち、60%近くは技術畑出身か、技術系の学位の取得者でした。ところが、ブロックチェーン業界で起業したCEO・創業者の出身分野は、これ以外にもあったのです。後者の代表例を挙げるならば、金融、法務、営業、そしてメディアということになります。

チャンスのタイミング

「幸運の女神は扉を一度しか叩いてくれない。逃したときはもう遅い」という人もいます。しかし、当社がインタビューしたCEO・創業者の考えは違っていました。大きなチャンスはときとして何度も扉を叩くことがある、というのです。

インタビューしたCEO・創業者の70%は、2013年以前にブロックチェーン技術について知ったといいます。2013年といえば、たとえばビットコインが150ドル以下で取り引きされていた頃です。しかし、この時点でも実際に市場に参入したのは、全体の半数にすぎませんでした。そのときには、すでにブロックチェーン技術が登場してから4~5年が経ち、注目も集まっていた頃で、ある程度安定した支援体制が確立されていたにもかかわらずです。

参入しなかった理由として、すでにチャンスを逃してしまった、あるいは「技術はもう飛び立ってしまった」ので飛び乗るには遅すぎると感じたのでは、と考える人もいるかもしれません。しかし、そうではなかったのです。

ブロックチェーン関連の10億ドル企業であるビットフューリー社のマーク・タバナー氏は、次のように語っています。「当時、ブロックチェーン業界について知ってはいましたが、参入はしていませんでした。私は、インターネットが主流でなかった時代を知っているくらいの世代でしたから…。私のひらめきの瞬間は、2013年の12月頃に訪れました。それは、ある巨大企業に依頼されたヘッドハンターから一本の電話を受け、『ビットコインをご存知ですか?』と質問されたときでした。」

タバナー氏が業界に注目し始めたのはこのとき、すなわち2013年の終わりから2014年初めにかけてだったわけですが、本格的な参入を果たすまでには、それからさらに6~12カ月を要しました。それでも彼は、新しいものに積極的に取り組む「アーリーアダプター」の1人だったのです。

チャンスはどこにでもあり、技術動向は絶えず変化し続けています。参入時期を検討するにあたっては、そうしたトレンドを客観的に捉えることが極めて重要です。まだ黎明期にあるブロックチェーン技術の場合には、一層、参入タイミングの見極めが大切であるといえます。

破壊的創造を理解すること

ブロックチェーンは、もしその破壊的技術としての意義が認められていくならば、今後数十年にわたって利用されるものになるはずです。その意味で、今、ブロックチェーンに取り組むことは、インターネットの普及期にネットに取り組むようなものだといえるでしょう。

1991年のウェブの登場から最初のインターネットバブルまでは、10年程度かかりました。そしてバブルがはじけたとき、「インターネットは死んだ」と誰もが考えました。しかし、それから何年も経った後に、本格的な技術的変化が訪れたのです。以下に、例を挙げてみます。

  • Facebookは2004年に開始されました。
  • Youtubeの始動は2005年です。
  • Instagramは2010年に誕生しています。

ブロックチェーン業界のCEO・創業者が口をそろえていうように、今はまだ、その黎明期にすぎません。つまり、大きなチャンスはどこにでもあるということです。

チャンスは意外なところから訪れます

チャンスは、必ずしも変化をもたらしたり、インパクトを与えたり、あるいは金銭や経済面での利益を得られるような機会として訪れるとは限りません。多くの場合、それは批評や議論、一連の疑問という形でやってきます。さらに、当社がインタビューしたCEO・創業者の大多数がそうだったように、「ブロックチェーンとは何か?」あるいは「暗号通貨とは何か?」といった素朴な疑問とともに現れることも少なくないのです。

一方で、共通して言えることの1つに、チャンスは伝統的に、自分が尊敬・敬服する人や、一目置く人からもたらされる、というものがあります。ただし、親から何かを言い含められる子供と同じように、チャンスの到来に気づくためには、その言葉を何度も繰り返し耳にする必要があるかもしれません。

当社がインタビューしたブロックチェーン業界のCEO・創業者は、次のような共通のパターンによってひらめきの瞬間を迎えています。

まず、全員が常にさまざまな人々と会話を交わしていました。そこで改めて気づかされるのは、人脈に対して心を開き、業界ニュースをチェックし、参加したことのないミートアップやカンファレンスになるべく顔を出すべきだということです。新たな洞察は、さまざまなところから得られます。

また、80%以上の人が、参入を決めるまでに何度もブロックチェーンについての話を聞く必要がありました。馴染みのない事柄に用心し、慎重になり、保守的な態度で接するという姿勢は、人間に本来備わっています。しかし自分が尊敬・敬服し、あるいは信頼している複数の人々が口々に同じ技術について語り出すようなことになったら、おそらくそれが耳を傾けるべきときなのです。

さらに、40%の人は、自社の顧客やリクルーター、カンファレンス出席者、同僚など、個人的な交友関係以外の人々の口からブロックチェーンについて知りました。ときにインスピレーションは、面白いところに転がっているものです。

まとめ

ブロックチェーン技術は世界を変えようとしています。ブロックチェーン業界に参入するのに専門技術は要りません。必要なのは柔軟な思考と学習意欲、そして変化する環境に貢献したいという情熱です。

そして、すでにチャンスを逃したのではないかと心配する必要もありません。確かに、ブロックチェーンベースのビットコインには手を出せないかもしれませんが、それだけがブロックチェーン技術の応用事例ではないのです。

社会への影響や普及という点からいえば、現在のブロックチェーンはまだ黎明期にあります。しかし、だからこそ、多くの企業がイノベーションを起こせる可能性を持っているわけです。

あなたはどのようにエコシステムに貢献し、変化を起こす力になれるでしょうか?

この記事はBlockchain Tech News向けにケーヒル・ピュイが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。