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MWCから見る5Gの3大トレンド:IoT、5G対応スマホ、折りたたみデバイス

Verizon CEO Hans Vestberg announces Samsung's Galaxy S10 5G is coming first to his 5G network.

世界最大級の通信関連イベント「モバイルワールドコングレス2019」(以下、MWC)では、驚くような瞬間が多々ありました。そこではロボットたちが、アイルランドに伝わるジグダンスからリアルタイムで人間のまねをするのはもちろん、針に糸を通すことなど、あらゆる特技を披露してみせました。また、未来の生活の片鱗を、これまで以上にはっきりと見せてくれるホログラムもあり、自動化された自宅の利便性をさらに向上できるという触れ込みで、人さし指の付け根にチップを埋め込んでもらう来場者すらいたのです。MWCの参加者は毎年10万人を超えており、今回のバルセロナの展示会でも日進月歩のテクノロジー業界は活気に満ちあふれていました。

各社の話題の大半は5Gネットワークの影響に関するものであり、ここ数年にわたってMWCの重要なテーマとなっていたこのテクノロジーも、いよいよ実現する時が近づいたようです。たとえば、AT&Tアメリカの12の都市5Gの展開を予定しているほか、5年以内には米国内でのネット接続の50%5Gが占めると見られており、消費者はこの最新テクノロジーの導入に備えて、家庭用インターネットシステムの更新を見合わせています。

こうした状況からも明らかなように、マーケティング担当者は今のうちに5Gの普及を見越して計画を立てておくべきです。その参考となるように、今年のMWC3大ポイントをご紹介しましょう。

1. IoTがより充実した体験とデータをもたらす

いくつかの理由から、5G時代のデータはよりダイナミックな存在となるはずです。なかでも一番の理由としては、世界のIoTデバイスのネット接続数が、2025年までに、現在の3倍にあたる250億に達すると見込まれることが挙げられます。

特に自動車業界は、この分野をリードするでしょう。たとえばBMWは、音声認識システムから得たデータを、最新のAIツールやジェスチャーコントロール、視線認識の情報と融合することを目指していると、MWCで発表しました。これにより、運転中に会話をしているときには、手の動きや視線でスピーカーの音量を絞ったり、エアコンの吹き出し口を開いたり、サンルーフを調整したりできる一方、会話していなければ同じ操作を音声を使って行うことも可能になるわけです。

振り返ると、スマートフォン時代の到来によって、消費者が電話で話したり会話することはなくなるだろうという論調が数多く見られました。しかし、BMWは、私たちがいつ、どこで、なぜ、どのようにして音声を使うかは、ネット接続されたクルマやスマートホームシステムといった技術によって変化していくという、実に的確な考えを抱いています。そして、消費者が話しかける対象がスマートスピーカーであれ、冷蔵庫であれ、クルマであれ、そこで入力されたデータは、他のブランドもより優れた顧客体験を生み出すために利用されることになるのです。

2. 5G対応スマートフォンが新たな広告形態を生み出す

当然のことながら、スマートフォンメーカー各社は、すでに5G対応に乗り出しています。今年のMWCで発表された最新モデルにも、サムスンのギャラクシー S10 5GファーウェイメイトXなど、人気機種の5G対応バージョンが含まれていました。

こうした製品の普及によって、5Gは、モバイルマーケティングやインタラクティブコンテンツの新たな可能性を企業にもたらします。その観点から、テレビや映画のマーケティング担当者、そして消費者向け製品のメーカーや小売業者は、どのような顧客が初期の5G対応スマートフォンを使うようになるかを理解しておくべきでしょう。その情報は、自社のSMSMMSのリストに含まれている顧客を調査すれば得られるはずです。

そのうえで、マーケティング担当者は5Gの興味深い可能性の1つを試すことができます。それはすなわち、MMSことマルチメディアメッセージングサービスを利用して5G対応のスマートフォンユーザーを対象に行う、長めのビデオコンテンツ配信です。この方法でホリデーシーズンなどに企業が配信するムービーは、極めて大きな広告効果を持つと考えられます。こうした没入型コンテンツは、すでに動画の広告利用に長けた企業であればゼロから制作しなくても最小限の手間で準備でき、それがMMS経由で配信されてくるという点に、消費者は新鮮さを感じるでしょう。

「モバイルユーザーが、長めの動画を積極的に視聴するだろうか?」という疑問はもっともですが、5Gだからこそ試す価値があるといえます。なぜなら、5G環境では30分のビデオでも瞬時にダウンロードできるようになるからです。

3. 折りたたみ式スマホが画面の概念をくつがえす

MWCで発表された最新のスマートフォンに加えて、モトローラ・レーザーの2019モデルロヨール・フレックスパイなどの競合製品には、5G対応バージョンが含まれているだけではなく、ディスプレイ自体を折りたためるという特徴があります。いわばタブレットサイズのスーパーコンピューターであるこれらのスマートフォンは、曲げた状態で裏表の画面に異なる情報を同時に表示したり、食卓の真ん中に置いて向こう側とこちら側で同じ情報を表示することもできるのです。


Royole: FlexPai

上:ロヨール・フレックスパイ

画像提供:ポール・サワーズ / ベンチャービート

このような製品向けにモバイル用コンテンツの制作を手掛ける企業は、画面の使い方を根本から見直す必要があります。結果としてマーケティング担当者は、画面が曲げられた場合とそうでない場合とで異なるコンテンツを用意する必要性や、その新たな顧客体験を活かすうえでどのようなレスポンシブ技術、すなわち、画面サイズに合わせて自動的に表示を変える仕組みが求められるかについて、判断を迫られることになるでしょう。と同時に企業は、それらの画面が、自社のモバイルサイトのデザインや、ユーザーにアクションを促す電話番号などの配置に、どのような影響を及ぼすのかを把握しておくことも必要です。

現時点で価格が2,000ドルを超えるようなこれらの製品が、2019年のクリスマスシーズンにヒットを飛ばす可能性は低いものの、2021年までに通常のスマートフォンやタブレットの代替品になると考える業界筋もあります。

次の10年への扉を開くMWC

今年のMWCでは、輝かしい未来を垣間見ることができました。個人や企業が、ほかの人々や端末とつながっていくうえで、5GIoTが新たにもたらす多彩な可能性には圧倒されます。このようなモバイルの次の局面において、マーケティング担当者は、消費者が世界や他者、あるいはコンテンツとやりとりする多様な方法について考慮しておかなくてはなりません。それは、他社に後れを取らないための極めて重要な作業なのです。

イアン・デイリーは通話のトラッキングおよび分析用プラットフォームを手掛けるインボカ社の製品マーケティング担当シニアディレクターです。

 

この記事はVentureBeat向けにイアン・デイリーが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。