絶えず変化するクラウド、今季のトレンドは「最適化」

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パブリッククラウドのコスト管理を専門とするパーク・マイ・クラウドでは、クラウドコンピューティング、特に、IaaSとも呼ばれるパブリッククラウド・インフラストラクチャ市場の今後のトレンドについて理解を深めるため、その努力を常に行っています。パブリッククラウドが普及し、ひとつの黄金期を迎えた今、そこにはある共通のテーマが見られるようになりました。すなわち、現在も新たなサービスや製品が続々と開発される中で、これまでにない機能を生み出すことだけでなく、既存の機能を最適化することに重点を置く傾向が高まってきているのです。

クラウドサービスはまだ成長途上にあるのか

最適化について詳しく述べる前に、2019年以降のクラウド市場がどのような成長を続けてきたのかを見てみましょう。IT系調査会社のガートナーの予測では、2019年のパブリッククラウド・サービス市場の規模は、下表のとおり2018年から17%増の2060億ドルに達するとされています。

また、やはりIT系調査会社のIDCは、2018年のIT関連支出の半分近くがクラウド関連であったとし、さらにそれは「2020年までにITインフラストラクチャ全体の60%、ソフトウェア、サービスおよびテクノロジー全体の60~70%に達する」と予測しました。つまりガートナーとIDCのいずれも、クラウドの普及やクラウド関連の支出が近いうちに停滞するとは、全く予想していないのです。では、このような成長を促進している要因と、2019年以降注視すべきクラウドコンピューティングのトレンドについて考察していきましょう。

話題となっているクラウドコンピューティングの今後のトレンド

世間では、ブロックチェーンや量子コンピューティング、マシンラーニング、AIについて大きく騒がれています。それも無理のない話ですが、より基本的なレベルで多くの面から企業のあり方を変えているのは、クラウドコンピューティングだといえるでしょう。目的が単純なデータ保存であろうが、開発の迅速性を高めて新製品や新サービスのリリースを早める手段であろうが、あるいは機密情報の保存・保護の方法であろうが、クラウドコンピューティングは各分野のあらゆる企業に恩恵をもたらしています。それは、スマートな企業というものが、売上げというビジネス目標を改善・達成するために最も革新的な方法を常に模索してきた結果です。

クラウドテクノロジーに関しては、ますます多くの企業がクラウドから得られるメリットに気付き始めており、ビジネス活動を行うにあたってクラウドコンピューティングに関する選択肢をより多く検討するようになっています。そして、いうまでもなく、アマゾンやマイクロソフト、グーグル、アリババ、IBM、オラクルといったIT企業は、自社サービスの構築・運用を目指す企業に役立つIaaSおよびPaaS分野のソリューションを矢継ぎ早に投入して、この流れに乗ろうとしているのです。

これらのトレンドがコンピューティングをどのように向上させるのか

  • コンテナが主流に:クラウドコンピューティングにおいて「アプリケーションのコンテナ化」、つまり、「ホストOS上にコンテナと呼ばれるアプリケーション専用領域を設け、その中で必要なアプリケーションソフトを動かすことで実現される仮想化」は、単なる新しい流行語の範疇を超えて、クラウドへのさまざまなリソースの展開方法を変えつつあります。2018年には、コンテナを採用する企業の数は増加の一途をたどりましたが、この動きは引き続き2019年以降にも盛んに見られる、トレンドの1つとなるでしょう。
    この領域における最適化への流れ:開発レベルでコンテナ化を採用することで、アプリケーションの開発と展開をこれまでより迅速に行えるようになります。そして、コンテナを効率的に利用すれば、クラウドコストの低減にもつながるのです。
  • マルチクラウドとハイブリッドクラウド:かつて予測されたとおり、マルチクラウドとハイブリッドクラウドの時代が到来し、今後も成長を続けると見込まれています。企業の大半にあたる74%が、2018年の戦略としてハイブリッドクラウドまたはマルチクラウドの採用を挙げていましたが、さらに、パブリッククラウドを採用した企業の62%が、2種類以上のクラウド環境、またはクラウドプラットフォームを利用しているという事実もあるほどです。そして、2019年もこれらの数字は増加する一方と予想されます。この動きは、さまざまなクラウド機能から恩恵を得たいと考える企業にとって多くのメリットをもたらす反面、複数のCSPことクラウド・サービス・プロバイダを利用した場合には、ネイティブのCSPツールがマルチクラウドに対応していないため、ガバナンスや、コストの最適化、クラウド管理が複雑になることが難点です。また、クラウドコンピューティングのコストは、今も懸念事項として真っ先に挙げられる項目なので、企業にとっては、クラウドの使用に関するトレンドを把握して常に先手を打つことが、支出を抑えて無駄を防ぐうえで極めて重要になります。
    この領域における最適化への流れ:こうした問題は複雑ですが、コスト管理を念頭に置いてマルチクラウド戦略を採用している企業も数多く見られます。そうすることで、特定のベンダーに依存するベンダーロックインを避けることができ、最もコスト効率の高い方法でワークロードを展開する上での柔軟性が得られるためです。また、より大局的に見ると、企業がマルチクラウド戦略を採れば、クラウドプロバイダは互いに競争を続けることになり、継続的に料金を低下させる流れにもつながります。
  • マネージドサービスの成長:調査会社のグランド・ビュー・リサーチによると、2018年に急成長を遂げたクラウド・マネージド・サービスの世界市場は、2025年までに8251,000万ドルに達すると見られています。企業が自社の最も重要な事業に焦点を絞っていることが、クラウド・マネージド・サービスのさらなる普及につながっているのです。クラウドマネージドサービス市場の主なカテゴリは、ビジネスサービス、セキュリティサービス、ネットワークサービス、データセンターサービス、モビリティサービスですが、これらのサービスを導入することで、企業はITコストや業務コストの削減のみならず、生産性の向上も期待できるといえます。
    この領域における最適化への流れ:マネージド・サービス・プロバイダは、もちろん優良なプロバイダであることが前提ですが、その道の専門家であると同時に、ユーザーとしてもパブリッククラウドに関する情報に通じています。その意味で企業は、クラウドの運用を外部のプロバイダに任せることによって、自社の時間的・人的リソースを最適化できるばかりか、マネージド・サービス・プロバイダを有能なクラウドマネージャとして利用することもできるのです。この結果、競争力を保ちながら、自社と顧客のためにコストを抑えることが可能となるでしょう。

絶えず変化するクラウドのトレンド

クラウド運用に関しては、現時点ですでに主な要素が出そろっており、残るはそれらの最適化だけであるかのように錯覚しがちです。ところが、実はそうでないということを歴史が物語っています。クラウドが今までも、また、これからも、企業のITに破壊的変化をもたらす存在であることは間違いありません。そして、企業におけるパブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドの利用の方向性は、引き続きクラウドコンピューティングの今後のトレンドによって決まることになるでしょう。アマゾンのパブリッククラウドサービスであるAWSのサービス開始は2006年のことでしたが、クラウド・インフラストラクチャの革命は未だに草創期にあるといえます。これからも、まだ多くの「XaaS」、つまり未知のクラウドベースサービスが創出される段階にあることを忘れずに、自社のクラウド戦略を策定し、更新していくことが求められているのです。

この記事は元々パーク・マイ・クラウドに掲載されたものです。

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この記事はBusiness2Community 向けにジェイ・チャペルが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。