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デジタル革新がもたらすもの:2019年、各銀行が考慮すべき4つのトレンド

銀行は、必ずしも最新テクノロジーをいち早く導入するところではありません。規制が厳しく極めて複雑な業界では、イノベーションの積極的な推進が大変難しい場合もあるからです。しかし最近では、世界中の銀行でデジタル革新の呼びかけに応じる動きが見られるようになっています。例えば2018年だけでも、銀行は、顧客と直接やり取りできるデジタルバンキング機能をアップグレードするために、数十億ドル規模の投資を行いました

現在も続くこの大規模投資の理由は、いたってシンプルです。このデジタル時代においては、すでにアマゾンやネットフリックスといった企業から提供されている、時代に即した常時接続サービスと同様のものを顧客は期待しています。したがって、同様のサービスを自分たちもキュレートできなければ駄目だということを、多くの銀行も知っているのです。つまるところ、銀行は他の誰かが行う前に、自社のビジネスに破壊的変化をもたらす必要があるといえるでしょう。

事実上のレースは、すでに始まっています。銀行は、既存顧客のニーズを満たしながら新規顧客を引きつけるための戦いにだけ参加しているわけではありません。同時に、業務をより速く効率的にこなし、これまでにない革新的な商品やサービスを開発し、新たな収入源を開拓することによって、競争で優位に立ち続けたいと考えているのです。

こうした背景を踏まえて2019年以降に目を向けてみるならば、銀行はあらゆる場面で、顧客を中心に据えることをますます重視するようになるでしょう。そのための努力には、より良い顧客体験を生み出すための業務改善はもちろん、顧客が関わるあらゆるタッチポイントを、より一層パーソナライズされたものにする作業も含まれます。もちろん「言うは易し、行うは難し」であり、こうした革新を成功させるために、それなりのスマートさが求められることは間違いありません。そこで考慮する必要が出てくるのが、次のようないくつかの重要トレンドです。

1. 今日の銀行は商品/サービス中心から、より顧客中心の世界観に軸足を移しつつある

これまでは、ほとんどの銀行が、あらゆる状況にどうにか適合できる商品やサービスの開発に重点を置くことによって、顧客のニーズを満たしてきました。こうした試みは、長い間かなりうまく機能していたといえるでしょう。しかし近ごろの顧客は、汎用型のソリューションを求めなくなっています。顧客が欲しいのは、個々の状況に合わせて調整され、自分固有の極めて特殊なニーズを満たす製品やソリューションです。つまり、銀行は従来の考え方を覆し、顧客とそのカスタマージャーニーを業務の中心に据える必要があるということです。したがって今後は、個々の顧客の要件に合わせて調整できる、はるかに多彩なカスタム製品やカスタムソリューションが出現するものと予想されます。

2. 今日の銀行は信頼の獲得と維持に重点を置いている

企業の大規模なデータ漏洩が、驚くべき頻度でトップニュースになる中で、最も重要なものは信頼です。このことが特に当てはまるのは、大量の極秘情報にアクセスするだけでなく、より良い顧客体験を生み出すためにさらなる情報を求めなくてはならない銀行を抱える金融サービス業界です。この業界では、一連のデジタルタッチポイントから情報を集めれば集めるほど、そのデータのセキュリティ確保が不可欠になります。GDPRなどの規制によって、データセキュリティやプライバシーをめぐる状況が厳しくなったこともありますが、最近の顧客はもはや銀行に対して盲目的なロイヤルティは持っていないため、何らかの理由で信頼が裏切られたと感じた時点で、何のためらいもなく他行に乗り換えてしまうでしょう。中でも商業銀行業では、1件の大口顧客次第で業績が左右されることもあるため、信頼の維持以上に重要な要素はありません。

3. 今日の銀行は適切なパートナーとの提携に目を向けている

実際のところ、デジタル革新を無から生み出すことはできません。その意味で、銀行が最高の顧客体験を生み出すには、他社との提携が欠かせないのです。それには、極めて特殊なサービスやソリューションを顧客に提供できる最先端のフィンテック企業を受け入れ、協業することも含まれます。このようなサービスやソリューションの提携先としては、AIを搭載したチャットボット、オンラインやモバイルでの決済機能、商用決済処理を合理化する革新的技術を持つスタートアップなどが考えられるでしょう。

一方、見識のある銀行は、フィンテックコミュニティ内で適切なパートナーを見つける以外に、小売、保険、医療といった他業界の企業と提携する機会も模索しています。小規模企業への融資を効率化するための、銀行グループJPモルガンとスモールビジネス向けの融資仲介サービスを手がけるオン・デック・キャピタルの協業もその一例といえるでしょう。以前は見られなかったこのような提携は、今日の金融業界において顧客と銀行のやりとりがどこでどのように発生するかにかかわらず、高度にパーソナライズされたシームレスな体験を創出するうえで非常に重要です。

4. 銀行は的を絞ったやりとりによって顧客との信頼関係を築くことに重点を置きつつある

上記のトレンドはすべて、顧客とのポジティブな関係を創出して維持すること、そして顧客のロイヤルティを築くことに帰結します。銀行にとってポジティブな顧客体験の一番の促進要素は、顧客とのエンゲージメント構築であるべきですが、実際の業務でそのニーズに合わせたパーソナライズや調整がなされていないと、顧客維持率は下がってしまうでしょう。これを防ぐために、銀行は適切なコンテンツを探し、プレゼンテーションや販促資料をまとめ、提供する製品の最新情報を常に把握しておくことが必要です。しかし、それは同時に、顧客とのミーティングを避けたくなるような手作業の多い作業でもあるため、こうしたプロセスを自動化する方法を検討しなくてはなりません。現に銀行の担当者は、このような仕事を手作業で行うことに多くの時間を費やしています。これでは、時間の使い方として望ましくないばかりか、より価値の高い業務を行ったり、顧客への対応に時間を割くことができません。

2019年に銀行業界は、顧客にとって重要なことを見極め、煩雑な業務を自動化し、信頼関係を深めることによって、新たなビジネスの高みへと到達できるはずです。

2019年以降、銀行はデジタル革新の導入を進める

2019年以降数年間にわたって、銀行は大きな課題に向き合うことになります。デジタル革新を全面的に取り入れるだけでなく、分野内のリーダーの地位を目指すことも重要です。また、他業界には見習うべきロールモデルがいくつか存在しますが、それらをそのまま採り入れて失敗しないためには、銀行業を取り巻く環境においてデジタル革新がどのようなものになるかを慎重に検討しなければなりません。

銀行が激しいデジタル競争を勝ち抜くには、顧客を中心に据え、その信頼を得て維持し、自社の取り組みをサポートできる適切なパートナーと提携する必要があります。ほかにも、負荷を増やすのではなく、効率の悪い作業を合理化してよりスマートに働くことで、顧客対応に時間を割き、前途に待ち受ける課題に対処する方法を見つけることも重要になるでしょう。やらなければならないことは山積みですが、正しくやり遂げた銀行は非常に大きな利益を得ることができるのです。

この記事は元々SEISMICに掲載されたものです。

 

この記事はBusiness2Community向けにアリッサ・ドゥルリーが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。