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5Gの試験運用が英国で開始:プロモ―ションの目玉はホログラム通話

ボーダフォンは先日、英国内で初となるフル5Gサービスのテストを開始しました。この試験的なサービスはサルフォード地域の企業のみが利用でき、5G技術を英国の7都市で試すという計画の一環として行われるものです。では、こうした次世代のモバイルテクノロジーから何を期待できるのでしょうか?

今回のような本サービス開始までの助走期間には、新しいテクノロジーを利用した多数のプロモーションが行われることも少なくありません。この分野を重視する通信業者たちは、今年、政府によって競売にかけられた5Gの周波数帯に14億ポンド近くを支払っており、その資金を回収するためにも消費者の目を惹きつける必要に迫られているというわけです。そこでボーダフォンは、9月に、この周波数帯の一部を使って英国内で初となるホログラム通話を実演しました。サッカーのイングランド代表の1人でもあり、マンチェスターシティチームのキャプテンを務めるステフ・ホートンがホログラムとなってニューベリーに現れ、ボーダフォンのマンチェスター支店にいながらにして、得意とするスポーツのコツを11歳の女の子に教えたのです。

もちろん5Gはホログラムがすべてというわけではなく、それもインターネットへのより高速なアクセスの応用例の1つに過ぎません。英国情報通信庁によると、5Gネットワークは4Gの100倍以上のスピードで動作するため、これまで1分かかっていたビデオのダウンロードが、ほんの1秒で済むような環境が普通になるからです。

5Gでは、IoT分野においてコネクテッドデバイスを支えるという、より広範囲な応用も計画されています。ここでいうIoTとは、インターネットにつながった冷蔵庫がユーザのために牛乳を再注文してくれるようなことに留まりません。無人運転車や自動化された配達ドローンが相互に通信し、世界の様々な場所で働けるようにするシステムなども含まれているのです。

一方で、英国情報通信庁の元研究開発責任者兼ディレクターであるウィリアム・ウェブ教授は、5Gのテクノロジーが裸の王様のような事例になりかねないとも警告しています。4Gネットワークへの投資を続けることによっても、かなりのスピード向上が達成できた可能性はあるというのが同氏の主張です。その他にも、まったく新しいレイヤーとなるテクノロジーより、地方のブロードバンドアクセスの拡大と現在のネットワークのカバー範囲に対する取り組みに注力するほうが、英国全体の利益が大きくなるのではないか、という反対意見は見られます。しかし、アナリストの予測によると、2020年までにコネクテッドデバイスの数は208億台に達するため、4Gネットワークではキャパシティの不足は避けられません。したがって、5Gに期待が集まるのも当然なのです。

ただし、5Gは、消費者にとってのコスト上昇も招くことになると思われます。5Gのメリットを享受するには、対応する新しい端末が不可欠だからです。そのようなスマートフォンは2019年に登場すると予想されますが、これまでのところ5Gネットワークの初期展開のペースは遅めであり、広範囲に利用可能となるのは2〜3年後と見られています。

そのため、消費者が5G対応の新しい携帯を手にするタイミングのほうが、ずっと早くなるものの、5G向けのサービスを考える企業は今から準備を進めておくべきといえるでしょう。

 

この記事はThe Guardian向けにマーチン・ベラムが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。