小売業のデジタル変革のための5つのステップ

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従来の小売業のビジネスは、eコマースストアの増加によって影響を受けてきました。この状況下で存続するために、小売業者は、創立時からデジタル企業だったような考え方をしつつ、店舗内のショッピング体験の差別化も行い、さらにそれらのバランスを取ることが求められます。また、こうした改革を進める上では、来店した顧客が利用可能なWi-Fi、より高速なPOSシステム、拡張されたCRMことカスタマーリレーションシップマネジメントなどの新しいテクノロジー、映像分野のアドバイザー、モバイル決済への対応、デジタル化を踏まえた企業文化の確立が必要です

75社を対象として専門誌リテールウィークが行った「小売業者が検討すべきデジタル変革戦略」に関する調査により、5つの戦略が導き出されました。この調査で、リテールウィークはデジタル変革に対する障壁を3つずつ各社に挙げてもらい、その集計結果から上位5つのリストを作成しています。詳細は、英語のレポート「素晴らしき新世界:デジタル変革をリードせよ」にありますが、ここでは、そのエッセンスをご紹介しましょう。

すべての従業員の意識改革が必要

最初の障壁は、従業員の意識です。CEOやCFOが自社のデジタル変革を推進する人材を指名しても、社内の全従業員が構想や形成に関わり、新しいアプローチとテクノロジを採用するアイデアに取り組まない限り、実際の変革を順調に進めることはできません。このレポートでは、「すべての職務にわたってデジタル変革によって生じる機会を検討し、アジャイルなチームがその実現に向けて動きやすいオープンな組織文化を醸成することが望ましい」とされています。

また、既存の組織構造を根本から変えようとした場合、従業員の間で、部分的にであっても旧来の仕組みを守ろうとする意識が働くことは避けられません。そのため、改革への抵抗感をなくすための工夫が必要となることにも言及しています。

既存の人材の活用

新しいテクノロジーの導入を支援するためには専門知識を持つ人間が必要ですが、この点に関しては、社内の人材の活用が推奨されています。それが、従業員の忠誠心を維持し、小売業のトレンドに関する経験を活用するうえで役立つからです。この調査結果からは、「情熱のある人に新しいスキルを教えることはできても、その逆は難しい」という教訓が伺えるでしょう。

適切な人材の雇用

同様に、ビジネスのデジタル化を支援するために必要なテクノロジースキルを持つ人材を外部から雇用しなければならない場合にも、利用可能な最高のテクノロジーのスキルを有するだけでなく、適切な人格と、小売業に対する意欲にあふれた人材を雇用することが重要となります。適切な人材を雇用できなければ、社内の人間関係が不安定になるからです。そこで、「新旧の人材間にフラストレーションが生じないようにするためには、それぞれの役割に対するモチベーションを高め、それを継続的に維持する」ことが重要となります。

この分野で新たに雇用される人材の多くは、データの収集と分析を支援する役割を任されることが多いものです。そして、カスタマージャーニー、顧客の習慣、嗜好に関するデータなど、生成される膨大なデータをレビューするうえで、実店舗とオンラインの両方でデジタル指向のインフラストラクチャが必要となります。これらの要素が揃ってはじめて、そうしたデータを、変革戦略にフィードバックすることができるのです。

サプライヤーやパートナーの慎重な選択

サプライヤーおよび流通業者と協力する場合、デジタル変革に関するビジョンを、これらのパートナー企業と確実に共有することが重要です。そのビジョンには、ブロックチェーンのように今後必要となるであろうテクノロジーの積極的な採用なども含まれます。つまり、「社内外のすべてのチームが、必要なスキルとテクノロジーに関する能力を高める必要がある」ということなのです。

顧客本位

デジタル変革を進めるにあたっても、「顧客は常に正しい」という古い格言を引き続き重視する必要があります。企業側がいくら旗を振っても、顧客が新しいショッピングアプリなどの新しいテクノロジーを利用してくれなければ、デジタル変革は失敗します。したがって、顧客調査やフォーカスグループを利用した試験運用なども欠かせません。顧客のニーズに対する経験が豊富で、それをよく理解している接客チームを組織としてサポートしていくことも重要です。

このように、デジタル変革の可否は、最終的にそこに関わる人々の問題に帰着します。最新テクノロジーの導入という側面に踊らされることなく、バランスを見極めて、自社のビジネスに最適な改革を行うことが大切なのです。

 

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